ごく一部の地域を除き、今年は全国的に米質に恵まれ、モロミでの溶解性がよく、ブドウ糖もよく出たようです。そのため発酵も活発で、香り高く、力強い味わいのクリアな酒質のお酒が多く見受けられました。

また、味わいを求める嗜好の変化に対応して、やや酸を増やしつつ糖分とのバランスをとることで、ボリューム感のある味わいに仕上げたり、融け過ぎて品のない味になるのを防いだり、苦味や渋味を減らすためにそれぞれの方法で原料処理を工夫した蔵元も多かったようです。まだ一部には若いものもありますが、全体的にかなりレベルの高い『初しぼり』が揃ったようです。

日本名門酒会本部 企画部長・森

12月13日の時点で試飲可能だった〈初しぼり〉の中から、酒販店や料飲店などお酒のプロの方々154名が、「これは美味しい」と太鼓判を押した新酒ベスト9をご紹介。

実力伯仲大接戦だったため今回は18位までのアイテムもご紹介。この冬の〈初しぼり〉は、とにかく全般的にレベルアップしていて、味わえばそれぞれに個性的な美味しさ・面白さをお楽しみいだけると思います。ぜひ冬に美味しい味覚と合わせてお試しください。