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お酒の歳時記

10月のお酒

◆菊見のお酒◆ まっただ中の秋を楽しむ

2010年10月16日は旧暦9月9日、重陽の節句にあたります。
その昔、この日には菊酒を飲み、破邪・長寿を祈ったとか。
また、この日に衣替えをしたり、中国ではお燗酒を飲み始めるなど
本格的に寒いシーズンに突入する変わり目の日であったようです。
深まりゆく秋の風情を楽しみながら、菊見酒としゃれてみてはいかが。


◆菊酒◆

日本ならではの雅なカードゲーム、花札には「菊」と「寿の盃」の絵札があります。「花合わせ」では、この札と「桜」や「ススキ」の役札が合わさると、それぞれ花見て一杯、月見て一杯、と役がつく……というのは余談ですが。

かように菊とお酒は切っても切れぬ仲。この花札の絵柄のもとになっているのが、菊の花びらを浮かべたお酒「菊酒」の信仰です。長命を願い、邪気を払うという理由で、中国では陰暦9月9日、9という陽数が重なり"陽"が極まる「重陽の節句」に飲まれてきました。

5月の菖蒲と同じく、菊花の馥郁たる香気に、破邪の力を求めたのでしょう。沖縄でも酒盃に菊の葉を浸し、祖先の霊前に供える「菊酒」の風習があるそうです。

2010年の今年、陰暦9月9日にあたるのは10月16日。ゾロ目の数字の威力はありませんが、ちょうど菊も見事に咲くシーズン。菊見の宴としゃれてみてはいかがでしょうか。

◆菊見の宴に合うお酒◆

菊酒といえば「加賀の菊酒」の伝統を継ぐ石川県の「菊姫」や「萬歳楽」。その昔、名峰白山に群生する野菊の雫を受けて流れる手取川の「菊水」で醸されたお酒は、「加賀の菊酒」と呼ばれ、秀吉の「醍醐の花見」にも供されました。

季節感を演出したいのなら、秋にしか出回らない〈ひやおろし〉を。旨みたっぷり、まろみを帯びたバランスのよい味わいは、「秋酒をもって最上の酒とす」の言葉を裏切りません。おまけに、冷やでよし、お燗でよし、と楽しみ方の幅が広いので、料理やその日の気分に合わせて楽しめます。

また、肌寒さを感じるのであれば、お燗酒などいかが。その昔の中国では重陽の節句からお酒を温めて飲んだとか。この季節、キャンプなどアウトドアで飲むお燗酒は、また格別です。

白に黄色に紫に、大菊小菊ーー冬枯れする前にひときわ輝く菊の花。菊の節句に限らず、菊の咲き誇る庭や野を眺めながら、あるいはテーブルに飾り、菊酒をたしなむ典雅な菊見の宴をもよおして、秋の酒と肴で深まる秋をしみじみ楽しみましょう 。

 
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