お酒の歳時記

2025.06

プロが選んだうなぎに合う酒2025プロが選んだうなぎに合う酒2025

お酒と鰻のプロの方々に審査いただいた、うなぎの蒲焼きに合うお酒
今年の結果はこちら!

お酒と鰻のプロの方々に審査いただいた、うなぎの蒲焼きに合うお酒。今年の結果はこちら!

にしのせき こうろ いちのくら ひらいづみ

*価格は東京標準の参考価格です(2025年6月1日現在)。
地域、配送方法により異なる場合があります。
*商品のお求めは日本名門酒会加盟の酒販店まで。

貴重なうなぎを美味しい日本酒とともに

2025年夏の「土用丑の日」は7月19日(土)と7月31日(木)。
近年、希少価値のあがるうなぎですが、せっかくいただくのなら、
美味しさを最大限に引き出してくれるお酒と一緒にぜひ。

2025年夏の「土用丑の日」は7月19日(土)と7月31日(木)。近年、希少価値のあがるうなぎですが、せっかくいただくのなら、美味しさを最大限に引き出してくれるお酒と一緒にぜひ。

夏の「土用丑の日」といえばうなぎですが、実際、どんなお酒がうなぎに合うのか、日本名門酒会では2006年から毎年、有志加盟店やうなぎや日本酒に造詣の深い方々をお招きして、本部スタッフとともに相性を審査してきました。今年も通算18回目にあたる「鰻に合う酒」の審査を開催。その結果をご紹介します!

夏の「土用丑の日」とうなぎ

夏の「土用丑の日」といえばうなぎ。1年でいちばん暑いと言われるこの日にうなぎを食べる習慣が定着したのは江戸時代のことで、一説には平賀源内が考案した広告戦略がきっかけとも言われていますが、真偽のほどは定かではありません。

なにはともあれ、うなぎは夏の伝統スタミナ食として愛されてきました。万葉集の大伴家持も  石麻呂に吾物申す夏痩によしと云ふものぞむなき取りめせ と、夏痩せした友人にうなぎを勧めています。東洋医学ではうなぎには強精強壮作用があるといいますし、実際、疲労回復にきくビタミンB1も豊富に含まれているとか。

最近では稚魚の不漁が伝えられ、ニホンウナギが絶滅危惧種に指定されるなど、うなぎを巡る環境は厳しいものがあります。今年の土用丑の日は、日本伝統の食文化であるうなぎをめぐる状況も考えながら、せっかくのうなぎに巡り会ったなら、大切に、美味しくいただきたいもの。その美味しさを最上級に引き出してくれるお酒を、ご紹介します。

うなぎとお酒を合わせる楽しみ

一口にうなぎの蒲焼きと言っても、うなぎそのものの質はもとより、焼き加減、タレの味、山椒・山葵などの薬味の種類でさまざまな味わいに変化します。ここでご紹介する結果はとある名店のうなぎと合わせた結果にすぎませんので、あくまで参考として、ぜひ御自身でお試しを。

今や貴重なうなぎだからこそ、ぴったり合うお酒で最大限の美味しさを引き出して、じっくりお楽しみください。また、合わせるお酒によって、同じうなぎが見せる表情の違いを楽しんだり、蒲焼き風に調理した他のお魚やお肉と合わせてみるのも面白いと思います。

審査風景

審査風景1 審査風景2

お酒は日本名門酒会本部が選び抜いた日本酒8アイテムと、初回から11年連続1位の評価を得て殿堂入りした「西の関」を合わせた計9アイテムを用意。これを常温かつブラインドでうなぎの蒲焼きと合わせ、その相性を審査していきました。

今回、合わせたうなぎは、千代田区東神田にある「鰻割烹 丸文」のうなぎの蒲焼き。山椒の使用はお好みで。

審査員には日本名門酒会加盟店である「(株)アドバンスクリヤマ シミズヤ」(東京)の代表取締役・栗山和久さん、「(株)島田屋」(東京)の代表取締役・島田顕三郎さん、日本酒とうなぎに造詣の深い漫画家のラズウェル細木さん、(有)月刊日本橋「うなぎ百撰」編集長にして(一社)全国鰻蒲焼商協会 事務局長の堺美貴さんをお迎えし、これに本部スタッフを加えた計8名が参加。

会場では、「合わせた鰻のレベルが非常に高く、それに合わせる日本酒も高いレベルで、フルーティな味わいから熟成タイプまで幅広く、色々なマリアージュを楽しめた」「鰻が主役かそれとも酒か。鰻を引き立たせる酒もあれば、酒を旨くする鰻もあり、脂を綺麗に流す酒があれば、旨味同士同調するものもあり。すべて甲乙付け難い」「酒そのものはどれも美味しく良いお酒ばかりだが、きき比べることで味わいの違いを改めて感じることができ、それが鰻を通して伝わってくるのが面白い」などの声が上がり、難しくも楽しい審査に挑んでいただきました。今回は上位3酒が同点1位という大接戦。それぞれに異なるベクトルながら、うなぎもお酒もさらに美味しくなるペアリングの妙を、皆様もぜひお試しください。


「プロが選んだ 鰻に合う酒」2025 同点1位3アイテム+殿堂入り

殿堂入

西の関

第1位

香露

第1位

一ノ蔵

第1位

飛良泉

殿堂入

西の関「手づくり純米酒」純米[大分]

うなぎと一体となる相性の良さで
11年連続No.1、12年目から殿堂入り!

うなぎと一体となる相性の良さで11年連続No.1、12年目から殿堂入り!


「うなぎに合う酒」審査の初回からうなぎとの相性の良さで10年以上不動の一位に輝き続け、殿堂入りした「西の関 手づくり純米酒」。とろけるような上質の甘やかさと旨味、柔らかな酸のバランスが絶妙で、冷やでもお燗でもいけるお酒です。うなぎの旨味とタレの甘味に酒のふくよかな旨味が一体化しさらなる高みに登る、圧倒的な相性の良さをぜひご堪能ください。

【試飲コメント】

  • 口に含むと甘やかな香りが広がり、鰻の旨味を引き立てふくらみを感じる。ふくよかでやわらかく長い余韻があり、熟成感も鰻のタレと好相性。
  • 鰻のしっかりとした旨味に酒のなめらかな甘味と旨味が口いっぱいにふくらみ、焼きの香ばしさと、穀物由来の香ばしい酒の風味が良くマッチする。
  • 日本酒と鰻の双方が活きる組み合わせ。熟成感が香ばしさを引き立て、酒の酸が脂をサッと流す。

第1位

香露「特別純米酒」 特別純米[熊本]

4年連続1位獲得!
鰻の旨味を酒の旨味が受け止め寄り添う好相性!

4年連続1位獲得! 鰻の旨味を酒の旨味が受け止め寄り添う好相性!


吟醸造りを牽引してきた9号酵母発祥蔵の、厚みがあり豊かな味わいの特別純米酒。甘味・旨味がしっかりある味わいながら、ほどよい酸味があり、後切れキレよく、ぬる燗にしても楽しめます。旨味・酸味のバランスの良い味わいが、うなぎの蒲焼きの美味しさをトータルに引き出してくれます。

【試飲コメント】

  • 酒が主張しすぎず、鰻の脂やタレの旨味に寄り添い、酒の旨味と相まって相乗効果でお互いを高め合っている。
  • 酒に炊き立てのご飯のような甘味があり、鰻と合わせるとまるで鰻重を食べているかのようなマリアージュ。
  • バランス良く鰻の旨味が増し、鰻のしっとりとした旨味を酒がやわらかく受け止めている良い相性。

第1位

一ノ蔵「四段仕込 特別純米酒」 特別純米[宮城]

3年連続上位獲得!
旨味甘味が同調しつつも酸が引き締め、さらに鰻が進む


宮城の銘醸蔵の、お米由来の風味を充分に楽しめるよう醸された特別純米酒。きれいな甘さと柔らかで品良い旨味、後味に心地よい余韻が広がり、冷やでもお燗でも楽しめます。上品でやわらかな味わいがうなぎに寄り添い、お互いの美味しさを引き立て合います。

【試飲コメント】

  • 酒のなめらかな甘味とキリッとした酸が鰻の旨味と脂を引き立て、ほど好い滋味と酸が味わいを締め、鰻の味わいと調和しつつ、しっかりと味わいを切る。
  • 鰻の旨味と脂に酒の甘味が同調しつつも、酸がスッと流し、またもう一口もう一口と鰻が食べたくなる相性。
  • 鰻との一体感がとても感じられ、酒の旨味と甘味、鰻のコクが同調する。

第1位

飛良泉「熟成 山廃純米酒」 山廃純米[秋田]

酒の熟成感と鰻の香ばしさがマッチし寄り添う


山廃造りにこだわる蔵元の真骨頂、山廃本来の野性味ある酸と旨味を存分に引き出した山廃純米酒。山廃由来の酸と旨味が調和した飲みごたえある味わいは、冷やはもちろんお燗でも抜群の美味しさ。お酒の熟成感とうなぎの香ばしさがマッチし、お互いの美味しさを引き立て合います。

【試飲コメント】

  • 酒のポテンシャルがとても高く、酒自身の旨味が凝縮されトロミすら感じる。そのくせ自己主張しすぎず、しっかりと鰻の旨味とタレの甘味に寄り添う最高のマリアージュ。
  • 酒のコクと皮の旨味がマッチし、酸のキレが後味を良い意味で洗い流す。焦げの部分とも好相性。
  • 熟成感と鰻の香ばしさが非常にマッチ。酸もしっかりあり、鰻の旨味を軽やかに感じさせる。鰻の旨味を流し過ぎず、双方の味わいを楽しめる。
 
カテゴリに戻る | カテゴリの一覧に戻る