◆塩釜漁港に上がる新鮮な三陸の魚介の美味しさを

沖合は優秀な漁場、沿岸は養殖、三陸は海の幸の宝庫

リアス式海岸が続く三陸は、沖合は親潮と黒潮が交差する良好な漁場であり、沿岸では牡蠣・ホヤ・帆立・わかめ・海苔などの養殖が盛んな、ブランド魚介の宝庫です。

ホヤは鮮度が命、新鮮な生のホヤをすぐに加工

「海のパイナップル」と呼ばれるホヤの旬は5〜8月。新鮮な生のホヤはシャキッとしたみずみずしい食感と、鮮烈な磯の風味、口中に広がる甘味と旨味、ほんのりと続く甘い余韻で、夏の味覚として人気ですが、これを味わうのはなかなか難しいもの。ホヤは鮮度落ちが早く、水揚げして24時間を超えると臭いが出てしまうなど、鮮度管理が難しいのです。そこで、十字屋さんではホヤが水揚げされたらすぐに、真水で洗い切り、皮を剥き、塩辛や燻製などに加工し、新鮮なホヤの美味しさを封じ込めます。ちなみに、十字屋さんはホヤの加工品を日本で初めて作った会社です。

小粒でも旨味がギュッとつまった松島種の牡蠣

松島湾は広島と並ぶ牡蠣の名産地。松島種（まつしまだね）と呼ばれ、やや小粒ながら、旨味がギュッとつまった、みずみずしく濃厚でミルキーな味わいが魅力です。中でも十字屋さんが用いる牡蠣は、間引いて数量の調整をし、一粒に海の栄養がたっぷり集まるようにしたものだけ。生でも焼いても鍋でもフライでも美味しいこの牡蠣の美味しさを、最大限、活かすように製品化しています。

◆宮城県三陸ならではの海の恵みを

日本三景の一つに数えられる松島にほど近い宮城県・塩釜市。全国3位の水揚げを誇る塩釜漁港には三陸の豊かな海で獲れるたくさんの海の幸が集まります。十字屋さんはその宮城県三陸ならではの海の恵み、素材の持ち味を活かした、海産物の製造加工・販売を行っています。「新鮮なものは美味しいですが、それが決していちばん上手いとは限らず、素材を上手く扱えばそれ以上の旨味が出てくるものがあります」と、下館社長。発酵や燻製など日本伝統の調理法を活かして素材の旨味を最大限に引き出し、酒徒も喜ぶ美味しいものを作り続けています。