今年のみどころ
平成15 年 全国新酒鑑評会寸評
今年は審査方法が変わり、酸度の高いものから審査する方法ではなく、香気成分(カプロン酸エチル)の含有量ごとにグループ化して審査されました。 この変更によって、これまで香りが低いために金賞を受賞できなかったような出品酒の個性が評価される結果となりました。しかし一方で、ひとつのグループ内での審査の順番はランダムに行われたようですので、味わいの濃淡が評価に微妙な影響を与えた可能性もあったかと思います。例えば、濃醇な酒の後に、たまたま淡麗な酒があった場合、「薄い」と評価されてしまうなどです。 審査結果の総評は、独立行政法人酒類総合研究所のHP上に掲載されていますので、ご参照ください。
さて、それとは、別に地方局でも鑑評会が行なわれています。各蔵元の酒造りの指導は、各国税局の鑑定官室が行うため、それぞれの局で個性がでてくるのが面白いところです。 ところで近年、地方局では春の新酒ではなく、秋の熟成酒を審査するところが増えています。秋はお酒本来の実力が出てくる季節であり、この秋に地方局で行われる鑑評会の結果は、これから要注目であると思います。