■ 日本名門酒会メニュー
 
お酒の歳時記
2005.02
 ◆今月の肴◆ 〈初しぼり〉に合う料理
1月から2月にかけては、
寒造りまっただ中の蔵から
特別感のある〈初しぼり〉が出てきます。
その繊細な味に合う料理2品をご紹介。
(取材協力/岡永倶楽部)
山菜の天麩羅▼
風呂吹き大根の葛あんかけ▼
 ●山菜の天婦羅
     
VS. 「白嶺 香田初しぼり」
山菜の天麩羅 白嶺 香田
【参考小売価格(税込)】
1.8L・2,520円
720ml・1,260円
 旬のお酒には旬の食材を。というわけで、気のきいたスーパーや八百屋さんの店頭にも並び始めた山菜です。清涼感のあるほろ苦さと、独特のクセのある青い香りが魅力の山菜ですが、このほろ苦さが、搾りたてのお酒にかすかに感じる後味のほろ苦さと呼応して、いいおつまみに。

 ここでは、タラの芽、ふきのとう、のびる、明日葉の葉をからっと揚げた天ぷらで。山菜の特徴そのものを楽しみたければ塩で、エグ味が気になるようであれば天つゆ&おろしショウガでどうぞ。

 「山菜の苦味を活かすために、甘みがそれほど強くなく、繊細でキレのよいお酒がおすすめです」と店長におすすめいただいたのは、白嶺の特別純米しぼりたて生酒「香田初しぼり」。とにかく優しく繊細で、ほのかな甘味も嬉しくすっきりした味わい。アルコール度数も14度台と、比較的ラクに楽しめるお酒です。「日本酒は飲みたいけれど、ヘビーじゃないかと思って平日飲み控えていらっしゃる方にもおすすめですよ」

 あまりに優しく繊細なお酒なので、山菜の強烈さに対抗できるか、と心配になるのですが、骨格のしっかりしているお酒はさすがに違います。

 山菜のエグ味やら天ぷらの油分をさっとひと流し。揚げてからの時間がたった油のしつこさまで洗い流してくれます。そして口中に広がる、お酒のほのかな甘味と清涼感たっぷりの味わい。山菜の香味もより鮮烈に浮かび上がってきて、それぞれの持ち味を充分に堪能できます。氷雪を割って流れる小川の岸辺の光景が脳裏に浮かんでくるような組み合わせです。

 ●風呂吹き大根の葛あんかけ
     
VS. 「日置桜 純米しぼりたて槽口直詰」
風呂吹き大根の葛あんかけ 日置桜 純米しぼりたて
【参考小売価格(税込)】
720ml・1,470円
 梅の花もほころび始めると冬の終わりを感じてしまいますが、冬大根の美味しいところを今のうちにいただいてしまいましょう。というわけで風呂吹き大根を。繊細なお酒に合わせるのでああれば、田楽みそではなく、葛あんかけにしたやさしい味に仕立てていただきます。急に冷え込んだ夜などにはからだもポカポカと温まる嬉しい一品です。

 まずはだしを用意。鍋に水をはり昆布を引いて30分ほどおき、火にかけて沸騰直線に昆布をとりだし、薄口しょうゆ・みりん・酒を投入、煮立ったら鰹けずり節を入れ、再び沸騰したら火からおろして漉します。作るのが面倒なら、市販の八方だしでも使ってください。

 このだしで適当な大きさの輪切りにして皮をむき面取りした大根をじっくり煮て味を含ませます。それとは別にダシに葛粉(なければ片栗粉)を溶き入れ葛あんを作っておきます。ほかほかの大根の上から葛あんをとろりとかけてできあがり。お好みで柚皮を散らしてどうぞ。大根のトロトロ感と、葛あんのとろみ感が合わさって、優しい幸せを運んでくれます。

 合わせたお酒は日置桜の特別純米〈初しぼり〉「純米しぼりたて槽口直詰」。ラッキーなことに入荷したばかりとあって、炭酸がはじけるプチプチ感まで楽しめました。搾りたてながら適度なコクがあり、メリハリのある旨みを楽しめるバランスのよい味わいのお酒です。

 このお酒の旨みが、中まで出汁の旨みがしみこんだ大根の優しい甘味にマッチ。とろり&ほくほくとした大根の柔らかさと暖かさにうっとり夢心地のところに、冷たいお酒がプチプチはじけながらなだれ込んできて現に引き戻してくれます。温かい料理に温かいお酒もいいですが、冷たいお酒を合わせると、メリハリがつく上、お酒の清涼感も引き立ちます。

 
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