副本部長から
1956年東京生まれ。1980年、埼玉大学経済学部経済学科卒業後、(株)岡永入社。現・同社代表取締役社長。日本名門酒会本部の事務局次長、営業本部長、商品企画部長を経て、1992年より副本部長に就任。現在、日本名門酒会の実質的な指揮にあたっている。

 新年あけましておめでとうございます。

 昨2004年、日本名門酒会は発足30周年を迎えました。記念イベント『日本酒天国2004 in 国技館』には多くの方々にご来場いただき、改めて御礼申し上げます。

 この30年を振り返って思うことは、「いい酒を広めていこうということを、繰り返しやってきた」ということです。30年の間に日本酒を巡る環境や状況は大きく様変わりいたしましたが、私たちの言動の本筋は30年前も今も、変わりません。

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 昨今、日本酒の低迷と言われ、飲まれる「量」としてはマイナス傾向にあります。しかし、その「質」は30年前に比べて格段にあがっています。日本酒は今、その歴史上いちばん美味しい時期を迎えています。また、愛飲くださる方々のご理解も遙かに高まっていると感じております。

 今では当たり前のように愛飲いただいている、純米酒や吟醸酒、生酒も、発足当時の昭和50年代には、ほとんど一般市場で目にすることはありませんでした。また当時、海外で美味しい日本酒が飲めることもありませんでした。これも今ではアメリカはもとより、香港を中心とした中国、台湾、韓国など近隣のアジア諸国でも、広く親しまれております。

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 日本名門酒会が海外に日本酒を輸出し始めたのは1985年に遡ります。今や海外市場には約300アイテムの日本酒が出回り、「実力ある食中酒」として高い評価をいただいています。日本文化の一つの象徴として楽しまれているのを見ると、日本酒は文化なのだと、改めて誇りに思います。

 日本文化の一つとして接していただいている一方で、それぞれの現地の食生活に溶け込んだ楽しみ方もされています。「日本酒はこうあるべき」という既成概念がないぶん、そこではより自由に楽しまれ、勉強させられることも多くあります。

 私たちも「日本酒はこうでなければ」と狭い枠にはめて考える必要はありません。日本酒はもっと自由に楽しんでいいのです。

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 その一端として昨年は、日本酒の新しい潮流を「日本酒レボリューション」でご紹介いたしました。地酒の本質を突き詰めた「米から育てた純米酒」シリーズや、従来の概念を覆す日本酒の数々など、今ある日本酒の豊かさと面白さをお知らせするラインナップです。

 そうしたお酒そのもののバリエーションはもちろん、お燗にしたり冷やで飲んだり、もちろん料理と合わせたり、季節ごと、シチュエーションごとに、日本酒の楽しみ方は無限にあります。今年は様々な機会を通し、飲む楽しみについて、より強くお伝えしていこうと考えておりますのでご期待ください。

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 また逆に、実際に楽しまれている皆さまのお声もぜひ、お聞かせください。こうして楽しんでいる、こう味わったなどなど。もっと豊かな日本酒の世界を創りあげることができると思います。

 その時代時代で飲み手に育てられて今の日本酒があります。ともに「今」そして「これから」の時代の酒文化を創りあげていきましょう。

 日本名門酒会は、今年も設立当初の理念からぶれることなく、良酒を広める活動をたゆまず続けてまいります。

 本年もよろしくお願い申し上げます。
2005年1月吉日

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