お酒の歳時記

9月のお酒

◆お月見の酒◆ しみじみあるいは賑やかに

澄みわたる秋空に、雲は高くわたり、月もいよいよ輝きを増す秋。
月の光を浴びながら、爽やかな夜風に吹かれてお月見を。
今年の十五夜は9月22日、十三夜は10月20日。
ススキの穂や荻の花、秋の七草を飾り、
秋の味覚に舌鼓を打ちながら、お月見の宴を楽しみましょう。

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明眸

ひやおろし

五寸瓶

雫酒

酒器


◆「中秋の名月」だけでなく◆

2010年の今年の十五夜は9月22日(水)。お月見と言えば「中秋の名月」旧暦八月の十五夜ですが、その昔は満月とは限らず、様々な形で月見を楽しんできたようです。

明日の天気はわからぬからと十四夜の月を鑑賞する「待宵(まつよい)」や、翌夜にためらいながら出てくる月を待つ「十六夜(いざよい)」は、季語にもなっているくらいメジャーなお月見です。

“江戸川や月待宵の芒船(すすきぶね) 一茶”
“十六夜の月無しの酒さめ易し 波郷”

■名残の月、十三夜◆

旧暦9月13日は十三夜。今年は秋も深まった頃の10月20日(水)にあたります。十三夜は「後の月」とも「名残の月」とも呼ばれ、8月の十五夜とセットで「二夜の月」といい、こちらの月見をしないと片手落ち、と各地に十三夜の月見の風習が残っているそうです。

十五夜で三方に盛るのは月見団子や里芋ですが、このとき供えるのは豆や栗。だから「豆名月」や「栗名月」の名もあります。少し欠けたあたりの月も、美しいものです。

◆月待ちの宴◆

奈良・平安の頃は、月を待つ行事も盛んでした。十五夜を過ぎると月の出は遅くなっていきますが、仏教信仰が広まると月の出に先立って阿弥陀・観音・勢至の三尊来迎を拝することができると信じられ、夜が更けてから出てくる月が神聖視されたとか。これがお月見の行事のもとの一つになったといいます。

十七夜は立って待つ「立待(たちまち)」、十八夜は疲れてきたから座って待つ「居待(いまち)」、十九夜ともなるとなかなか出てこないから寝ころんでしまう「臥待(ふしまち)」など月を待つ行事があります。

旧暦7月26日の月を待つ「二十六夜待ち」は俗に「六夜待」と言われ、江戸っ子にも愛されて明治時代まで続いています。この頃の月の出は夜半過ぎ。さながら月待ちイベントとでも言うのでしょうか、みんなで賑やかに月の出を待ったそうです。

月の出を待ちながらお酒を酌み交わしつつ、ほろ酔い気分になった頃、ふと見上げればお月様がそこに、という夜の過ごし方も楽しいのでは。

◆夜風に吹かれ、月見の宴を◆

日本で月見をしながらの酒宴が定着したのは、平安時代のことだといいます。大がかりな観月の宴を開いた玄宗皇帝にちなんだのか、殿上人たちは和歌を詠み酒を楽しんだとか。

和歌を詠む、と雅なことができなくても、観月の宴にふさわしい月をお題にした遊びは、他にもいろいろあるはず。天体望遠鏡を覗いて、NASAのアポロ計画や天空に思いを馳せるのもよし。

宴の席にはススキや荻の花、秋の七草、月見団子などを飾って、お月見気分を盛り上げて。宴を開くのは、できれば外の風を感じられる場所で。縁側があればこしたことはありませんが、窓を開け放ったり、バルコニーに出たり、あるいはいっそのこと野外に出かけるのもいいのでは。桜の頃よりさらに気持ちいいアウト・ドアの風と月の光を浴びながら、ゆったり美味しくお酒をいただきましょう。

 
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