日本名門酒会 蔵元紹介

蔵の概要

環境

環境

蔵の近くに流れる清流・竹田川。この竹田川の伏流水が、蔵内にある井戸に湧く。

兵庫県の中央東部、丹波市の京都との県境に近い「奥丹波」と呼ばれる市島町に蔵は建ちます。丹波連山に囲まれた山間の地は、清らかな軟水に恵まれ、冬の冷え込みも厳しく、酒造りに適した土地柄です。蔵の近くには若狭湾に注ぐ由良川の上流河川・清流竹田川が流れ、秋から冬にかけては朝霧が周囲の山々を包み、幻想的な風景を生み出します。古くは京都・大阪の奥座敷として、野菜や山の幸を提供し、特に献上物ともなっていた "丹波黒豆" や "栗" は今も特産物として広く知られています。


歴史

歴史

高浜虚子の手による書

蔵の創業は嘉永2年(1849年)。創業時は「国礎」という酒名でしたが、3代目当主・西山泊雲が高浜虚子の高弟であったところから、虚子により「ここに美酒あり名づけて小鼓という」と詠われ、酒名を「小鼓」と改めました。以来、多くの文人墨客、画人が蔵元に逗留し、親しまれるようになりました。西山酒造の主屋を含む3つの建物は国の有形文化財に登録され、特に1943年に建築家・赤松修氏が建築した洋間を持つ数寄屋風建築の三三庵(ささあん)は、虚子の門下を始め、画人なども集う文化サロンの舞台となっていました。


造り

造り

地元丹波で契約栽培される《但馬強力》

美しい自然と恵まれた水、東北型の寒冷地である奥丹波で、地のものにこだわった酒造り。仕込み水には蔵内にある軟水の井戸水を用い、酵母は西日本での使用は珍しくデリケートで扱いが難しい「協会10号酵母(小川10号酵母)」を丹波杜氏が駆使。米は全量兵庫県産米を使用。県内産の《山田錦》、地元丹波産の《兵庫北錦》《五百万石》、さらに地元丹波の契約栽培農家とともに育てている復活米《但馬強力》を、自社精米。「伝統は革新の連続」をモノ造りにおける精神とし、清酒だけにとどまらず、焼酎・梅酒・グラッパ・リキュールなど、厳選された原材料をもとに、新しい発想と技術革新で提供し続けています。


味わい&合う料理

食

丹波黒豆の枝豆「丹波初黒」

10号酵母の特色を十二分に引き出し、おだやかな口あたりとふくよかで優美な香りが特徴です。

蔵元おすすめ酒に合う地元のうまいもん

小川10号酵母と蔵内井戸水(軟水)で出来るお酒は、すっきりとした、でも米の旨味が凝縮した味わいとなります。香りは非常に穏やかなため、お寿司や酢の物といった繊細な料理に特に合います。また、地元丹波の夏の特産物である黒豆の枝豆「丹波初黒」と小鼓の生酒との相性は、格別なものがあります