日本名門酒会 蔵元紹介

蔵の概要

環境

環境

黒雲母で磨かれた重厚な構えの仕込み蔵

横手盆地北部の仙北平野は、奥羽山脈に源を発する伏流水に恵まれ、古くから稲作が盛ん。歴史上飢饉の経験がないというほど実り豊かな地域です。その平野の中央に位置する大仙市長野地区は、雄物川の支流・玉川と並行して角館へ向かう街道が走り、いく筋もの河川や水路が流れる穀倉の街です。古くは「北浦」と呼ばれ、玉川水運の拠点として、角館をしのぐほど繁栄したと言います。蔵は道の駅にもほど近い角館街道から一歩下がった場所に建ち、江戸期のものが2棟、明治が2棟、昭和の2棟のすべてが土蔵づくり。正面は黒雲母で磨かれ、重厚な雰囲気をかもしています。


歴史

歴史

輝かしい受賞暦を示す数々の賞状

蔵の創業は元禄2年(1689年)。秋田でも最も古い蔵の一つで、創業当時からの酒造りの記録が残されるなど貴重な歴史を有しています。伊勢の国からこの地に移り住んだ初代・鈴木松右衛門が酒造業を開始したのが始まり。創業時は「初嵐」の酒銘でしたが、秋田藩主・佐竹候が藩内の銘酒を集め酒競べを行った際、それまで御用酒だった「清正」に勝ると賞賛され、戦国武将の主従関係の喩えから、また「秀でて良し」の意をあわせて、「秀よし」の名を拝命しました。嘉永元年(1848年)には藩の御用酒になり、幕末には秋田の酒質向上のため、藩主催の大々的な杜氏講習がこの蔵を舞台に行われ、今日でも当時の道具や行事が蔵に伝わっています。戦後は早くから吟醸酒の販売啓蒙に取り組み、熟成酒の研究販売を手がけるなどして名実ともに評価を高め、今日に至っています。


造り

造り

櫂入れ

蔵のある仙北平野の冬の厳しい冷え込みと清冽な空気は、酒造りの理想とされる「寒仕込み」に最適な環境です。仕込み水には奥羽山脈の清らかでやや硬質な印象のある伏流水を使用。原料米は、《山田錦》以外はすべて秋田県産米を使用し、平均60%まで精米します。平成に入ってから蔵は大改装されましたが、甑や直火炊きの和釜、朱塗りの酒槽など、手造りの良さを引き出す昔ながらの酒造りの道具も残り、古酒屋の趣を残しています。熟練した技術者が一つ一つの工程に心を込めて手作業で仕込む酒は、温かみのある味わい。310有余年の伝統におぼれることなく、品質を追求し、自然体での酒造りを心がけています。


味わい&合う料理

食

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「秋田流低温長期発酵」といわれる秋田独自の酒づくりは、雪国の風土に合った、品の良い柔らかい口当たりのまろやかな酒になります。 これに加え、味わい深く香り立つ味わいが特徴です。

蔵元おすすめ酒に合う地元のうまいもん

だだみ鍋 真だらの白子(精巣)を秋田では、だだみと呼びます。たら鍋の中には、必ずといっていいほど、そのだだみを入れ、その鍋のことをだだみ鍋といいます。『秀よし 寒造り純米酒』と良く合います。

カスベの煮物 また、秀よし『手造り本醸造』や『本醸造生貯蔵酒』といったお酒に合うのが、カスベの煮物です。カスベというのはエイの干物で、それを砂糖やしょうゆで数時間煮ます。