日本名門酒会

夏の爽やか頒布会2021 酒蔵水紀行


第2回
7月

はぎのつゆ じゅんまいぎんじょうげんしゅ

はぎの露 純米吟醸原酒

[岐阜県高山市]


比良山地からの水が潤す琵琶湖西岸の蔵元から、Alc.15%の純米吟醸原酒

1800ml 720ml
1.8コース720mlコース

瓶貯蔵酒

  • 【予定値】
  • 原料米/みずかがみ(滋賀県産)・山田錦(兵庫県産)
  • 精米歩合/60%
  • 仕込水/比良山地の伏流水
  • 酵母/きょうかい7号系(乳酸系酵母とリンゴ酸系酵母)
  • アルコール度/15度
  • 日本酒度/-3
  • 酸度/2.2
  • アミノ酸度/1.6
  • 杜氏/杉本和寛(能登杜氏)

お酒について滋賀県は「鮒ずし」など、琵琶湖固有の魚を使った郷土料理が有名です。その影響か、滋賀県の日本酒の特長は、濃醇な傾向です。代々能登出身の杜氏が酒造りを担ってきた『はぎの露』の酒質もやはり濃厚な旨味が特長です。今回の頒布会には、酒米の最高峰・兵庫県産「山田錦」と、滋賀県で生まれた新品種「みずかがみ」を使い、醪のアルコール分を15%に抑えた純米吟醸原酒に初挑戦しました。


「はぎの露」蔵元
寛延年間(1748年~1751年)創業

蔵元について滋賀県の面積の6分の1を占める日本最大の湖・琵琶湖。その西岸の街が高島市です。広大な面積の高島市は、比良山麓の豊かな森林、棚田のある里山、そして安曇川と石田川など淀川水系の川が形づくった平野部から成り立ち、近年問題になった琵琶湖の水質汚染とは無関係な山紫水明の地です。

高島市の勝野地区にある『はぎの露』の蔵元は、かつて鯖街道とも呼ばれた旧街道沿に風格ある佇まいをみせています。蔵元を含む町並みは「重要文化的景観地区」の指定地にもなっています。

創業当時、ときの藩主・分部光命公から、琵琶湖畔に群生する萩の花に因み「萩乃露」と名付けられました。その萩の浜は、現在では水泳場として、また「日本の白砂青松100選」選定地でもあります。


福井社長(左)と杉本杜氏(右)

比良山地の伏流水


「はぎの露」が仕込み水としている井戸

冬、日本海を渡って来たシベリヤ寒気団の通り道となる滋賀県の山々は真っ白に雪化粧します。その雪解水が豊かな琵琶湖の水源となっています。

琵琶湖の西岸に屏風のように連なる千メートル級の山々が比良山地です。比良山地に降り積もった雪も、春の訪れとともに雪解水となり、高島市の7割を占める森林に蓄えられ、山麓の棚田を潤し、湧水や井戸水となってそこここに湧いています。『はぎの露』の仕込水は、蔵から500メートルほど離れた場所にある井戸から汲み上げたもの。古くから、集落の生活用水として利用されてきました。この周辺は、花崗岩質から砂質粘度質に変わる地層のため、そのろ過作用を受けた自然水です。

醸造元/(株)福井弥平商店