
つきのい じゅんまいしゅ
月の井 純米酒
[茨城県大洗町]
〜 神降る磯の造り唄 〜
「神磯」の鳥居
二柱の神が降り立った「神磯」の近くで醸される『月の井』
荒波が打ち寄せる茨城県大洗町は、北海道との間を往来する大型フェリーの起点の港町です。港に隣接した大型商業施設シーサイド・ステーションや国内最大級の水族館アクア・ワールド大洗などとともに人気の名所が、海を見下ろす高台に鎮座する大洗磯前神社です。
平安時代の元慶3年(879年)に完成した歴史書「日本文徳天皇実録」には、
〈斉衡3年(856年)のある夜に、常陸国鹿島郡の大洗磯前の塩田で働いていた村人が海に光るものを見た。その光は僧侶の姿のふたつの石となり、人の口を通じて「われは大奈母知、少比古奈命である。昔、この国を造り終えて、東の海に去ったが、今、人々を救うために再び帰ってきた」と告げた〉
と記録されています。大奈母知神(大名持命・大己貴神)は大洗磯前神社に、少比古奈命(少彦名命)は、現在のひたちなか市の酒列磯前神社に祀られました。二つの神社は、二つで一つとされています。
この大奈母知神とは、大黒様でお馴染みの大国主命のことです。出雲神話では少彦名命とペアで国造りを行ったとされています。この二柱の神は酒造りとも関係が深く、この神々を祀る各地の神社には酒造りにまつわる伝承があります。
この二柱の神が現れた場所は「神磯」と呼ばれる、波打ち際の岩礁に鳥居が立つパワースポットです。その神磯のほど近くに『月の井』蔵元はあります。
(写真左)蔵の正面 (写真右)坂本専務
(株)月の井酒造店 慶応元年(1865年)創業