日本名門酒会

秋の純米酒頒布会 2021『酒蔵夜ばなし』


第1回10月

とよのあき じゅんまいしゅ

豊の秋 純米酒

[島根県松江市]


1800ml 720ml
1.8Lコース 720mlコース

R2BY 熟成酒(瓶貯蔵)

〜 知られざる松江の面影 〜


小泉八雲

城下町・松江が育んだ小泉八雲の文学と『豊の秋』

神話の国、島根県の県都・松江市は、茶人でもあった江戸時代の名君、第7代藩主・松平治郷(号・不昧)公の影響で、茶道が盛んで、和菓子屋も多い風情漂う城下町です。

そんな松江をこよなく愛したのが、明治時代に米国のジャーナリストとして来日し、後に英語教師となったギリシャ人ラフカディオ・ハーンこと、小泉八雲です。八雲の姓は、妻・セツの苗字を取り、名前は出雲(現在の島根県東部)の枕詞である「八雲立つ」から取ったといわれています。八雲は日本で教鞭をとりながら、日本の伝説や文化に興味を持ち、まだ、欧米に馴染みのなかった日本という東洋の小さな国の習俗を著書「知られざる日本」で紹介し、伝説や怪綺談を収集した「怪談」なども出版しました。

八雲の曾孫で松江在住の小泉凡氏は、県立大学で教鞭をとる民俗学者です。小泉凡氏と親交のある『豊の秋』蔵元は、『松江づくし』という商品を発売するに当たって、小泉凡氏に字を書いてもらい、八雲の写真とともにラベルに使用しています。

その昔、魚町と呼ばれた界隈で、酢の醸造や料亭を営んでいたという蔵元本店の敷地内には、豊秋庵という茶室や、松平不昧公が藩の財政立て直しのために奨励したロウソク作りの役所・木実方(きのみかた)から移築して日本酒の貯蔵庫として使用していた土蔵が、松江市登録の歴史的建造物として現存しています。


(写真左)蔵の正面 (写真右)米田則雄社長(4代目)
米田酒造(株) 明治29年(1896年)創業

お酒について
島根酵母の心地よい含み香、飲み口軽快で後切れよい純米酒

松江の食を語るときに欠かせないのが、宍道湖の魚介類です。「宍道湖七珍」と呼ばれる魚介類を使った料理が松江の郷土料理の代表格といえます。『豊の秋』の味わいは、そんな食文化の中で育まれた豊かな旨味が特徴です。

今回の頒布会には、日本酒造りにもっとも重要な麹米と、酵母を育てるための酒母米、さらに「第二の酒母」といわれる三段仕込みの最初の仕込みに使用する掛米(麹米以外の蒸米のこと)までは55%精米とし、その他を70%の精米に留めて、効率良く優れた酒質を目指す造りにチャレンジしました。仕込み水は玉造温泉から山一つ超えた山間に湧く、斐伊川水系の自然水です。

『豊の秋』らしさを継承しつつも、高精白の麹米による軽快な口当たり、ほのかなバナナ様の芳香も心地よく、後切れのよい、いままでの『豊の秋』にない魅力をお楽しみいただけます。

  • 【分析値】
  • [原料米]神の舞(島根県産)・五百万石(島根県産)
  • [精米歩合]掛米70%・麹米、酒母米、添えの掛米55%
  • [酒母]普通速醸酛
  • [酵母]島根K-101
  • [アルコール度]16度
  • [日本酒度]+3.5
  • [酸度]1.8
  • [アミノ酸度]1.0
  • [杜氏]上濱 智信(出雲杜氏)

醸造元/米田酒造(株)