日本名門酒会

秋の純米酒頒布会 2021『酒蔵夜ばなし』


第6回3月

ごきょう きもとじゅんまいしゅ

五橋 生酛純米酒

[山口県岩国市]


1800ml 720ml
1.8Lコース 720mlコース

R3BY 新酒(瓶貯蔵)

〜 錦上添花 〜


桜が満開の頃の錦帯橋

戦後すぐに一躍脚光を浴びた『五橋』、名杜氏と高品質米でさらなる人気銘柄に

『五橋』の蔵元が、一躍脚光を浴びたのは戦後間もない昭和22年(1947年)の全国新酒鑑評会と、今はない全国清酒品評会でした。この年、春に開催された全国新酒鑑評会で『五橋』は全国1位の評価を受け、秋に行われた全国清酒品評会でも全国2位となり、当時の慣例に従って、宮内庁への献上酒の栄誉に輝きました。

これをきっかけに、山口県においては『五橋』は不動の地位を確立しました。『五橋』の名を全国に轟かせた名杜氏・久次義夫氏から、その愛弟子・吉永達夫氏と続き、さらにその愛弟子である仲間史彦杜氏は、ユニークな発想で全国的にも注目される存在です。

「"酒屋の米知らず" ではいけない」という言葉が口癖だった先代の蔵元・酒井佑氏は、近隣の篤農家の「酒米をつくりたい」という思いを受けて、平成8年(1996年)、本格的な契約栽培をスタートしました。加えて自社の精米所を契約栽培の田んぼの傍らに新設し、契約栽培農家に精米をお願いする形態を整えました。米の出来不出来は精米時にも確認できるからです。それによって農家は、来年はもっといい米を作ろう、と考えるようになるというわけです。さらに、蔵元は農家ごとに収穫した米の評価会を催し、優れた米の栽培者を表彰する制度も設けました。

優秀な杜氏、高品質な原料米に加え、積極的な設備投資も行い、全国的な『五橋』の人気はうなぎ登りとなっています。


(写真左)蔵の正面 (写真右)酒井秀希社長(6代目)
酒井酒造(株) 明治4年(1871年)創業

お酒について
米麹の一部に白麹を使用、爽やかな酸味を加えた新タイプの生酛純米新酒

『五橋』の酒名は、岩国市の名勝・五連の木造の橋「錦帯橋」に由来しています。錦帯橋から4kmほど下流に下った錦川が今津川と門前川に別れる中州に『五橋』の蔵元があります。仕込み水はいうまでもなく、錦川の柔らかい伏流水です。

今回の頒布酒には、もちろん全量地元での契約栽培米を原料としています。麹と酒母には、酒造好適米《山田錦》を精米歩合50%で、掛米には酒米としても広く使用される一般米の《日本晴》を70%の扁平精米で使用。酒母は伝統の生酛で醸します。

さらに、米麹の一部には本格焼酎用の白麹を使って、生酛特有の乳酸のナチュラルな酸味に、白麹が生み出すクエン酸の爽快な酸味を加えた、蔵元でも初めての試みとなる生酛純米酒をお届けする予定です。3月の下旬から4月の初めにかけて、錦帯橋の両岸も美しい桜で彩られ、山頂には春霞の岩国城が望めます。この酒で遠く離れた錦帯橋でのお花見をお楽しみください。

  • 【予定値】
  • [原料米]日本晴(山口県産)・山田錦(山口県産)
  • [精米歩合]掛米70%(扁平精米)・麹米,酒母米50%
  • [酒母]生酛
  • [酵母]きょうかい701号
  • [アルコール度]15度
  • [日本酒度]+1.0~+2.0
  • [酸度]2.0
  • [アミノ酸度]1.8
  • [杜氏]仲間 史彦(大津杜氏)

醸造元/酒井酒造(株)