
てんじゅ じゅんまいしゅ
天寿 純米酒
[秋田県由利本荘市]
〜 鳥海山麓に香る花酵母 〜
鳥海山・八島口
鳥海山麓の良質米の産地で、花酵母を使用して香り高い酒を生む『天寿』
秋田と山形の県境。日本海に優美な山容を映す「影鳥海」で知られる東北第二の高山・鳥海山(2,236m)は、海から急激にそそり立つ単独峰です。その頂上から直線で北北東に約17kmの山麓の街・矢島町が『天寿』の故郷です。
矢島町は、秋田三大河川のひとつで鳥海山を水源とする子吉川中流域の街。米どころ秋田でも屈指の良質米の産地です。小さく蛇行しながら北北西に向かって、ほぼ一直線に流れる子吉川の流域沿いには、細長い平野が続きます。その平野の背後には山々が連なるため、水利はもちろん、冷たい北風を防ぎつつも適度な風が吹き抜ける、稲作の理想的な条件を備えています。
『天寿』の蔵元では、昭和58年(1983年)から蔵人と近隣の農家による「天寿酒米研究会」という酒米の契約栽培グループを立ち上げ、寒冷地に適した酒造好適米《美山錦》などの栽培を続けてきました。
さらに、現在の蔵元社長である大井健史氏は、醸造科で有名な東京農業大学の出身。母校の恩師・中田久保教授が分離法を開発した、天然の花酵母を使用して、香り高い日本酒造りに成功した最初の蔵元といえます。大井社長は東京農業大学に設立された「東京農業大学花酵母研究会」の初代会長でした。現在、東京農業大学の花酵母は14種類に及びますが、メインは何といっても撫子の花から取った「ナデシコ酵母(ND-4)」。華やかな洋ナシを思わせる香りが特長です。
(写真左)蔵の正面 (写真右)大井健史社長(7代目)
天寿酒造(株) 天保元年(1830年)創業