■夏しか飲めない、夏においしい生酒 |
暑い頃になると「冷酒あります」と、お店に張り紙が踊りますが、“冷酒”すなわち“冷たいお酒”でも、その実態はさまざま。なかでも味わいの爽やかさで群を抜くのが夏に旬の〈夏の生酒〉。夏しか飲めない、夏に美味しいお酒です。
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■いっさいの火入れをしない本生 |
〈夏の生酒〉は本生。冬に絞られたお酒をいっさい「火入れ」をせずに低温熟成させ、夏を迎える5月から8月にかけて出荷します。
デリケートなお酒なので、その昔は夏場に生酒は飲めませんでした。貯蔵・流通・梱包技術が整備された今だからこそ楽しめる贅沢な味わいです。
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生酒 |
お酒はたいてい「火入れ」という低温殺菌をほどこされますが、この「火入れ」をいっさい行わないのが「生酒(なまざけ)」。「本生(ほんなま)」、「生々(なまなま)」とも呼ばれます。お酒の中の酵母がまだ活きているため、味わいが変質しないよう、低温で大切に貯蔵されます。
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■汗ばむ季節にうれしい清涼感
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<夏の生酒>の特徴は、なんといっても清涼感あふれるみずみずしい味わい。華やかな香りとフレッシュ感は新酒の頃そのままに、と同時に、搾りたての頃の跳ねるような荒々しさはなりをひそめ、まろみをおびたやわらかな口当たりを楽しめます。
飲み比べるとわかりやすいのですが、他の日本酒が「重い」と感じるときにでも、その口当たりの軽やかさ、さわやかさには驚いてしまうはず。同じ冷えたお酒でも、本生酒の冷酒は、ひとあじ違うのです。ぜひ一度、暑い盛りにお試しを。
冷えたグラスを口に運べば、華やかな芳香が広がり、軽快ではつらつとした味わいが駆けぬける−−“涼味”とは、こういうものか、と心底、実感できます。その味わいは「冷」というより「涼」。たとえて言うなら、キンキンに冷えたクーラーの冷気ではなく、夕立ちのあとにサッとふく涼風の心地よさ。昼間の暑さと戦っていた身体に、ほっと一息つかせてくれる爽やかさです。
夏に旬なお酒<夏の生酒>の爽やかな味わいは、汗ばむ季節にぴったり。キリリと冷やしてお召しあがりください。
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■タイプは様々、気分や料理に合わせて楽しむ
爽やかさが魅力の生酒ですが、その味わいはいろいろ。どっしり濃醇タイプもあれば、さらりとやわらかなタイプ、香り際だつタイプ、あるいはうっすら銀色にけぶる薄にごり酒や、ロックでいただいても美味しい濃醇な濁り酒、パワフルな原酒、シャーベット感覚で楽しめる氷結酒など個性派もあり、ヴァリエーションにとんでいます。
様々に揃ったタイプから、その日の気分や食卓のメニューに合わせて、お楽しみください。 |
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■デリケートなフレッシュさを守るために |
いっさいの火入れをしない本格生酒は、とてもデリケートなお酒です。酵母がまだ生きているから、味わいも変化しやすいのでご注意を。
フレッシュなままの味わいをみなさまに楽しんでいただくため、日本名門酒会では、〈夏の生酒〉を蔵元から酒販店まで、クール便で直送しています。冬に搾られたお酒の美味しさを損なわぬよう、蔵元で0℃前後で熟成されたお酒は、冷たいままお店に運ばれ、冷蔵庫に保管されます。
せっかくの味わいを壊さぬよう、飲まれる皆さまも、買って帰ったらすみやかに冷蔵庫に入れ、ひんやり冷えたところをお楽しみください。 |