日本名門酒会

HIYAOROSHI 2023

日本の秋 ひやおろし 秋からますます旨くなる

実りの秋。日本の食卓が豊かになるのに合わせて、酒蔵の中でひと夏を過ごした秋の限定酒「ひやおろし」の出荷が始まります。穏やかな落ち着いた香りと、まろやかな味わいは秋の味覚と抜群の相性。秋から冬にかけて食材が旨味を増すほどに、「ひやおろし」も味わいを深めます。日本の食と酒が最高の状態で出会う季節の始まりです。

What is ‘HIYAOROSHI’ in English

HIYAOROSHI
~ Autumn Released Premium Sake ~

'HIYAOROSHI' is seasonal sake with mellow aroma and round taste, which is released in the autumn. The sake is brewed with new rice harvested in the previous autumn and stored after pasteurization in the spring. It matures throughout the summer developing unique flavors until the autumn.

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「ひやおろし」の魅力

一度火入れのまろやかな味わい

一般的な日本酒では、発酵を止め、風味を悪くする微生物を殺菌し、香味を保つため、「火入れ」という低温加熱殺菌を行います。通常は出荷までに2度──貯蔵する前に1度、さらに出荷直前に1度──行われます。日本名門酒会の「ひやおろし」は、春先に一度だけ「火入れ」し、秋まで熟成させ、出荷する際の2度目の「火入れ」をせずに出荷されます。

春 夏 秋 秋
デザイン提供/(株)一ノ蔵

1度目の貯蔵前に「火入れ」するのは、安定して熟成させるため。冷蔵技術が発達した現在では、「火入れ」をしない生のまま低温貯蔵することも可能ですが、それでは熟成が進まず、秋口に熟成の旨味は出てきません。

2度目の「火入れ」をしないのは、蔵元で適熟させたお酒の繊細な香りや味わいのバランスを加熱によって壊すことなくお届けするため。加熱により、香りが変化したり、熟成によって馴染んだ味わいが元に戻ってしまうことがありますが、それを避けるためです。

適度な熟成により味わいの成分がよく溶け合ったまろやかな味わい、それが日本名門酒会の「ひやおろし」です。

秋から冬へ。深まる旨味

寒い冬に造られた日本酒は1年をかけて熟成していきますが、特に暑い盛りの夏を越えると、大変身。気温の高い夏には急速に熟成が進み、味わいの成分が馴染んで、大きく変化します。旨味が増しまろみを帯びて、バランスのよい状態に。

その熟成の旨味を、もっともよく伝えてくれるのが、この「ひやおろし」です。穏やかで落ち着いた香りと、まろやかな旨味を特徴とする「ひやおろし」は、旨味ののった秋の味覚とお互いを引き立て合う抜群の相性です。

深まる秋 深まる旨味

「ひやおろし」は秋の間にも、瓶の中でゆるやかに熟成をすすめ、刻々と味わいを深めていきます。暑さの残る9月にはフレッシュ感も残す味わいのお酒が、10月、11月になるとまろやかさと旨味を増し、数ヶ月でここまで変わるのか、と驚くほどの変身を遂げることも。同じお酒を月を追って飲むのも楽しいかもしれません。

秋の深まりとともに、たとえば魚なら「サンマ」「戻りガツオ」「寒ブリ」など、脂がのってより濃厚な味わいになり、茸や果実などの食材も豊富になります。それと呼応するかのように、まろやかさを増し旨味が凝縮されていく「ひやおろし」。その相性の良さをぜひお楽しみください。

ひやおろし The Special「寒おろし」

晩秋から冬にかけては「ひやおろし」の最後を飾る、完熟の「寒おろし」が登場します。完熟の味わいに達した「寒おろし」は、まろやかさに加えて、濃密なとろみも感じられるようになり、まさに「ひやおろし The Special」という極上の美味しさ。お燗にすると風味がいっそうふくらみ、燗上がりするので、冬の鍋物とも抜群の相性を発揮します。

「ひやおろし」の起源

「ひやおろし」とは、江戸の昔、冬にしぼられた新酒が劣化しないよう春先に火入れ(加熱殺菌)した上で大桶に貯蔵し、ひと夏を超して外気と貯蔵庫の中の温度が同じくらいになった頃、2度目の加熱殺菌をしない「冷や」のまま、大桶から樽に「卸(おろ)して」出荷したことからこう呼ばれ、秋の酒として珍重されてきました。

「ひやおろし」の熟成と旬の食

世界中のお酒のなかで、四季の移ろいを楽しめる唯一のお酒が日本酒です。「ひやおろし」が出回る秋から冬の間だけでも、刻々とその味わいは深まっていきます。秋から冬へ。次々に登場する魅力的な食材と合わせて、季節の移ろいとともに変化していく「ひやおろし」ならではの魅力を、あますことなくお楽しみください。

白露の頃〜 "走り"の味わい

夏を越したばかりの「ひやおろし」は、苦味や渋みがやわらぎ、粗さもすっかりとれ、軽快さとまろやかさをあわせもった、まさに "走り"の味わい。脂ののったサンマなど、出始めの秋の食材と合わせれば、いち早く秋の訪れを感じることができます。


白露(はくろ)9月8日

しらつゆが草に宿る頃。朝夕に肌寒さを感じ始めます。旬の食材:さんま・椎茸・栗

秋分・寒露の頃〜 "調熟"の味わい

日も短くなり、秋も深まってくる秋分から寒露の頃になると、「ひやおろし」も味ノリして香味のバランスもますます整い、"調熟"の味わいに。香り高いマツタケなどとの相性も抜群。これぞ秋!という美味しさを堪能できます。


秋分(しゅうぶん)9月23日

秋の彼岸の中日。昼夜の長さが同じに。旬の食材:銀杏・里芋・かつお

寒露(かんろ)10月8日

露が冷たく感じられてくる頃。五穀の収穫もたけなわを迎えます。旬の食材:松茸・ししゃも・柿

霜降の頃〜 "熟れきった豊醇さ"

山々が紅葉し始める霜降の頃、「ひやおろし」はまろやかさと旨味をさらに増し、"熟れきった豊醇さ"と呼ぶにふさわしい風味に。しっかりした旨味のある素材を、味噌・醤油をきかせて調理した料理とよく合います。お燗にしても美味しく、朝晩冷え込み始めるこの頃には、ほどよいぬる燗もおすすめです。


霜降(そうこう)10月24日

早朝に霜が降りる頃。山々の葉が色づき始めます。旬の食材:さけ・いくら・山芋

立冬・小雪の頃〜 完熟の旨味「寒おろし」

立冬から満を持して「寒おろし」が出荷されます。この時期までじっくり熟成され、豊かな旨味がさらに深まった完熟の味わいは、まさに「ひやおろし」のスペシャル版。あつあつのおでんや鍋物と、お燗にした「寒おろし」の組み合わせは、冷え込む夜に至福の味わい。


立冬(りっとう)11月8日

冬の気配が感じられる頃。木枯らしが吹き始めます。旬の食材:さば・なめこ・毛蟹

小雪(しょうせつ)11月22日

山に初雪が舞い始める頃。寒さの強まる冬の入り口です。旬の食材:ふぐ・白菜・りんご

そして「新酒しぼりたて」へ……

11月後半からは各地の酒蔵での酒造りも本格化し、新酒が次々と産声を上げ、日本酒の新たな一年が始まります。「寒おろし」などまろやかに熟成したお酒とフレッシュな「新酒しぼりたて」、2つの美味しさを同時に楽しめるのは、この時期ならでは。


大雪(たいせつ)12月7日

山々には雪が降り積もる頃。本格的な冬の到来です。旬の食材:ぶり・大根・牡蠣

冬至(とうじ)12月22日

一年で最も昼が短く夜が長くなる日。旬の食材:ズワイガニ・百合根・たら

ひやおろしラインアップ紹介