日本名門酒会 蔵元紹介

蔵の概要

環境

環境

コバルトブルーの海が広がる。

鹿児島から南西へ380km、沖縄との中間に浮かぶ奄美大島は亜熱帯の島。コバルトブルーの珊瑚礁の海に囲まれ、原生林に覆われた美しい自然が残る島には、天然記念物に指定されている動植物も多く生息しています。古くから海上交通の要所であった奄美諸島は、南方物産の交流拠点として栄えましたが、15世紀に琉球王朝、16世紀に薩摩藩、戦後にアメリカの統治を受けるなど複雑な歴史を辿り、周辺からの文化的影響を受けながら独自の文化を育んできました。大島紬や黒糖焼酎もその一つ。蔵は名瀬湾を囲む奄美市の中心エリア、400軒もの飲食店が並ぶ繁華街の屋仁川通りから歩いて1分ほどの場所に建ちます。江戸末期にオランダ人技師を招いて白糖が製造された工場跡地にあり、街中に近いとはいえ山裾にあるため、豊かな森の恵みをふんだんに受けながら焼酎造りをしています。


歴史

歴史

創業以来、半世紀近く使い込まれた三石甕。

蔵の創業は昭和26年(1951年)11月1日。戦後、奄美群島はアメリカの統治下となり、日本に復帰するのは1954年のクリスマまで待たねばなりませんでしたが、それに先立つ約3年前のことになります。蔵元の先代が大島支庁の公務を退職し、不足していたカメや水道管を集めて焼酎造りをスタートさせたのが始まりです。かめ仕込みならではの味わいを求め黒麹を復活した頃、日本名門酒会と出会い、そのやわらかくふくらみのある味は全国に知られるようになりました。


造り

造り

(左上)原料となる黒糖。(右上)黒糖液。(左下)黒麹を使った醪(1次仕込)。(右下)黒糖液を加えた醪(2次仕込)。

仕込み水にはミネラル豊かな金作原の原生林を水源とする水を、麹は破砕精米を黒麹造りし、主原料の黒糖は沖縄・奄美産黒糖を85%、インドネシア産黒糖(鹿児島日本食品現地工場)15%と国産を多く使っています。他社が次々とホーロータンクを使った大型の造りに移行していく中で、1次仕込み、2次仕込みの全行程を三石のカメ仕込みで発酵させています。この独自の伝承技術である甕仕込みによる自然な発酵課程が、うるち米のやさしいふくらみと香りのよさを素朴な黒糖の味わいで包み込むような、やさしくスッキリとした味の焼酎を造り上げます。


味わい&合う料理

食

徳島精糖の純黒糖。蔵元が黒糖を探すうちに父母の出身地・鹿児島県徳之島で出会った手作り黒糖。手刈りしたサトウキビを原料に、丁寧にアクをとりながら直火で炊きあげ作られます。黒糖焼酎と合わせて楽しんで良し。

カメ仕込みによる発酵と黒麹による麹造りで、香味も芳醇で馥郁たる味わいのある焼酎になっています。

蔵元おすすめ酒に合う地元のうまいもん

炭で焼いた手羽先や焼鳥:鶏の脂を焼酎がすっきり洗い旨みを引き出すぴったりの相性です。
カルパッチョなどニンニクやオリーブオイルやスパイスの効いたイタリアン。
塩ブタの野菜いため:塩とブタの脂と野菜の甘みが合います。
徳南製糖の純黒糖:精製していないミネラルたっぷりの黒糖をかじりながら黒糖焼酎を口の中へすべりこませると黒糖の香がふくらみます。