日本名門酒会 蔵元紹介

蔵の概要

環境

環境

島の西端・西崎(いりざき)にある最西端之地碑。

蔵のある与那国島は日本列島の最西端、台湾まで約110kmの国境に位置し、晴れた日にはその島影を臨むこともできる熱帯の島。周囲約28kmの小さな島ですが、島の中央部を走る山系が変化に富んだ地形をつくり、豊かな自然に覆われています。世界最大の蛾「ヨナクニサン」や在来馬「与那国馬」の生息地でもあり、最近では島近くの海底に遺跡ではないかとされる巨石群が見つかり話題にもなっています。先人達によって育まれた伝承文化にも恵まれ、無形文化財の伝統芸能や与那国織、そして泡盛もその一つ。特に「花酒(はなさき)(*1)」はここ与那国だけに製造が認められています。蔵は島の北東部、赤瓦屋根と石垣の沖縄らしい街並みが残る島内の中心集落・祖納にあります。

*1 花酒(はなさき):花酒とは蒸溜の際に一番最初に出てくるアルコール度数の高い泡盛のこと。泡盛は1回だけの蒸留で酒を造るため、蒸留時間とともにアルコール度数は低下していきますが、この蒸留初期に流れ出た度数の高い泡盛のみを製品化します。アルコール度数が60度ほどもあり、45度以下という通常の泡盛からの定義には外れるものの、その歴史性を鑑みて与那国島のものだけは泡盛と名乗ることが認められています。酒税法上はスピリッツ類に分類されています。


歴史

歴史

直火炊きの地釜。

沖縄諸島にタイ国から蒸留酒の製法が伝来したのは琉球王国と呼ばれていた頃の五百数十年前。与那国にも15世紀の記録が残っています。江戸時代になると与那国の各村々で泡盛が造られるようになり、中でも「花酒」は49種におよぶ物納税の一つとして琉球王朝に献上されていました。蔵の創業は昭和24年(1949年)。戦後、アメリカ統治下で泡盛の民間製造が解禁されたときに、金城酒店として創業しました。その2年後に国泉酒造(名)として法人化し、代表銘柄名を「どなん」としました。「どなん」とは方言でこの与那国島を指す言葉にちなみます(与那国方言ではヤ行がダ行に変化し、与那にあたるのが「どぅなん」)。まさに島を代表する味わいを、今でも王朝時代の伝統製法で守り続けています。


造り

造り

醪の仕込みに使われるタンク。

仕込み水には泡盛製造に適した硬水の地下水を使い、タイ米を原料に、黒麹菌を用い、伝統の手造りで仕込みます。黒麹菌は米のでんぷんの分解にすぐれているため麹米をつくりやすく、なおかつ生成するクエン酸が雑菌の繁殖を抑え、まさに沖縄の気候風土に適した麹菌で、泡盛の命。発酵を終えた醪は直火で蒸留し、水でアルコール度を調整してから6ヶ月〜1年熟成。醪の冷却装置を使用するなどより一層の品質向上に努めています。最近では、古酒や島米を使用した新商品にもチャレンジ。人工添加物を一切加えない泡盛は、まさに絶品です。


味わい&合う料理

食

写真右上から;ゴーヤチャンプル、豚の三枚肉をじっくり煮込んだ豚の角煮、真ん中は島豆腐を乾燥させ紅麹と泡盛に漬けて発酵させた珍味の豆腐よう。

高度数ならではの味の濃さと個性の強さが特徴。口当たりよく芳醇な香りと泡盛独特の風味が生きた、東洋に誇るべき風格を備えた味わいです。

蔵元おすすめ酒に合う地元のうまいもん

泡盛には沖縄料理がよく合います。また、与那国にあがるカジキマグロの料理も絶品です。

どなんの美味しい飲み方

オンザロック:一番ポピュラーな飲み方で、ヒンヤリとしたのど越しの良さと芳醇な香りは、また格別、夏の夜に最適!
水割り:こちらも一般的な飲み方で、例えば30度の泡盛の場合、水1に泡盛1の割合(約15度)にしますと飲みやすく、まろやかな味が楽しめます。
ストレート:古酒は生のまま濃厚な芳醇さを味わうのが最高!! チョコでチビリチビリ、あるいはグラスで。油っこいおつまみが合います。
お湯割り:度数が強くのびが効くのでお湯を注げば燗酒同様!! 爽やかな酔い心地を楽しめます。
カクテル:泡盛はどんなカクテルにもよく合います。シークッーサー(ヒラミレモン)を使った「ヤッチー」、カルピスとペパーミントで作る「なんた浜」また、かぜに良く効く「玉子酒」など、泡盛をベースにソーダやサイダーで自分の好みのカクテルをお楽しみ下さい。