日本名門酒会 蔵元紹介

蔵の概要

環境

環境

170年ほど前に蔵の裏に掘られた140mにもおよぶ横井戸。ここから湧く石清水は「腐造知らずの水」と呼ばれ、ミネラル分の多い中硬水。

東京都西部にある青梅市は、奥多摩の山々に入る入り口にあたり、江戸と甲州を結んだ青梅街道の宿場町として発展しました。蔵のある市の西側から先の奥多摩には、東京とは思えないほど深山峡谷の豊かな自然が広がります。清らかな水が豊かに湧き、わさび栽培も盛ん。蔵の裏にも「岩清水」が渾々と湧き出で、仕込み水として使われています。眼下を流れる多摩川の清流には沢蟹が遊び、近くには2万5千本の梅が咲き乱れる吉野梅郷(よしのばいごう)もあり、さらに奥には雲取山を始めとする100近くの山々が峰を連ね、散策やハイキング、登山に多くの人々が訪れる東京の癒しスポットとなっています。


歴史

歴史

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創業は元禄15年(1702年)。蔵元当主の祖先はもともと甲斐・武田家に繋がり、甲州から武州澤井村に移り住んだ一族だといいます。1573年に武田信玄が没した後、家臣の中には「武田家再興のため身をかくし、後日に備えん」と軍資金を持って甲州を去る者もありましたが、家康が我が子・信吉に武田家を継がせるにいたって、甲州へ帰る望みを失いました。そんな遺臣の一人で、永住地を澤井の里と定めた一族の末裔が、蔵元当主の小澤家です。家紋が井桁に武田菱となっているのも、こうした由緒にもとづくもの。やがて小澤家は軍資金をもとに植林を始め、元禄年間(1688〜1704年)に酒造りも営むようになりました。酒銘は「澤井」という地名にちなんで命名。以来、約300年にわたって東京・奥多摩の地酒として親しまれてきました。


造り

造り

半世紀ぶりに復活された木桶仕込み。木桶の中は酵母にとって居心地の良い環境。人の技術だけでは生まれ得ない、複雑でおおらかな、近代にはなかった味が生まれました。

「精進潔斎して努むべし」を家訓に、品格のある酒を目指しています。米は新潟県産の《五百万石》や長野県産《美山錦》等の酒造好適米を厳選。水は蔵の裏手に、秩父古生層の岩盤を140mも手で掘り抜いたという洞窟から湧き出る、蔵元自慢の岩清水。中硬水で発酵力が非常に強いこの水のおかげで、独特のキレのあるコシの強さが生まれます。平成15年からは木桶仕込みを復活。300年にわたり酒蔵を見守り続けてきた裏山の大杉が枯れ始めたとき、このまま枯らしては申し訳ないと木桶を作ったのがきっかけでした。人間が管理する近代的な酒造りとは逆の木桶仕込みは「技術というものの本質にふれ、これからの酒造りに役立つ財産」を残したといいます。


味わい&合う料理

食

蔵元自慢の中硬水の仕込水から生まれる酒は、すっきりとした淡麗さの中にふくらみのあるコクを秘めた、奥の深い辛口酒。

蔵元おすすめ酒に合う地元のうまいもん

わさび漬け 澤乃井の酒粕と奥多摩のわさびで作った『わさび漬け』には『澤乃井 純米大辛口』がおすすめ。

豆腐酪 豆腐・ゆば料理を提供している「ままごと屋」のオリジナル珍味『豆腐酪』は、吟醸の酒粕と手作り三年味噌で床を作り、自家製ままごと屋豆腐を漬けこみました。『本地酒』や『元禄酒』と相性良し。


周辺情報

櫛かんざし美術館 日本女性の美を飾ってきた櫛、かんざしを中心に展示した全国的にも希少な美術館。江戸から昭和に至る約4千点を所蔵。

玉堂美術館 日本画家、川合玉堂の作品を展示した美術館。

青梅市観光協会

東京の観光公式サイト「GO TOKYO」