日本名門酒会 蔵元紹介

蔵の概要

環境

環境

嘉瀬川の河川敷では、毎年熱気球の国際大会が開かれている。会場は蔵元からすこし上流に遡ったところ。
写真提供/佐賀県観光連盟

蔵のある佐賀市は、鍋島氏佐賀藩・佐賀城の城下町として栄えた街。「武士道と云ふは死ぬ事と見付けたり」の一説ででおなじみ"葉隠"や、明治維新の志士を輩出し、市内には古墳時代から近代に至るまでの幅広い史跡が残ります。有明海に面し、脊振山地からの豊かな水が潤す佐賀平野は有数の穀倉地帯として知られ、最近では有機農業にも力をいれています。降水量が多く比較的温暖な地域ですが、三方を囲む山々と有明海の影響で内陸性の気候を示し、冬には最低気温が低く夏は最高気温が高くなります。市街地の西側、広々とした田園地帯を縦断し有明海へと注ぐ嘉瀬川は、近年バルーンフェスタの会場としても有名。その会場から少し川を下った下流域の西岸に、佐賀県最古の歴史を持つ蔵元はあります。


歴史

歴史

鍋島藩主・鍋島直正の句は掛軸に仕立てて8代目・文左衛門に贈られ、現在も蔵元の家宝となっています。

蔵の創業は元禄元年(1688年)。鍋島氏以前に佐賀を支配していた龍造寺家の直臣だった初代・古賀六右衛門が、鍋島藩の余剰米の利用法として酒造りを命じられたのが始まりです。創業当時の酒銘は「寒菊」でしたが、「窓乃梅」に変わったのは安政7年(1680年)、8代目・文左衛門の頃。酒蔵の横に咲き誇る白梅の花が春風に舞い上げられ、窓から花吹雪となって仕込み桶に降り注ぎました。花びらに覆われたその桶は、未だかつてない芳醇な香りが立ち上り、すばらしい酒に仕上がっていました。この奇跡の酒はさっそく鍋島藩主に献上され「年々にさかえさかえて名さえ世に香りみちたる窓乃梅が香」の句を賜ります。西宮で酒造りを研究した8代目の苦労が実った瞬間でした。これを酒銘の由来とし、以来、今日まで佐賀を代表する酒として愛されてきました。


造り

造り

今でも蔵で使用されている「木桶」

原料米は、佐賀平野が誇る酒造好適米《西海134号》を始め、主に県内産を使用。平均精米歩合65%にまで磨き込みます。仕込み水は、大吟醸などの特定名称酒に関しては嘉瀬川の源流・背振山系の三瀬峠に湧くやや軟水の湧き水を使用。温暖な九州地域でよく使われる高温糖化酒母を使いますが、伝承された技術を継承し、一部はこの地域には珍しい生モト系の酒母も手がけています。佐賀の気候風土、佐賀平野の恵みの中、蔵人たちの心意気と熟練の技によりまとめあげられた銘酒「窓乃梅」は、郷土・佐賀の食との相性が良い、比較的コクと旨みのある味わい。


味わい&合う料理

食

あげまきの塩焼き。有明近辺に縁がないとなかなか口に出来ない貝だが、驚きの旨さ。

「酔い心地よく飲み飽きしない酒」がモットー。佐賀の食との相性が良い、比較的コクと旨みがあり、キレる味わい。梅の花のような気品のある強さと優しさを持つ酒です。

蔵元おすすめ酒に合う地元のうまいもん

「あげまき」の塩焼き マテ貝の一種「あげまき」は旨味が多く、『特別純米 窓乃梅』をぬる燗にするととても相性が良いです。口の中でふくよかな味わいがどこまでも広がって生きます。


蔵元見学

不可 ----

アクセス 電車:JR長崎本線「佐賀駅」または「鍋島駅」下車、車で約20分
車:長崎自動車道「佐賀大和IC」から車で30〜40分
飛行機:佐賀空港から車で約30分

周辺情報

佐賀市観光協会

佐賀県観光情報