日本名門酒会 蔵元紹介

蔵の概要

環境

環境

白山麓手取り川沿いの扇状地に広がる白山市鶴来町の街並み。金沢と結ぶ鶴来街道は、参拝のために整備された。

古都金沢より南に約20km、霊峰・白山の麓に蔵はあります。白山連峰の雪解け水が手取川となって流れ出る扇状地の扇頂点に位置する街で、この連峰からの滴りを集めて醸しだす芳醇な美酒は古来より「加賀の菊酒」と呼ばれ賞賛されてきました。「太閤記」にも醍醐の花見に豊臣秀吉が是非にと取り寄せた事が記されていますが、この「加賀の菊酒」が菊姫の酒です。また、白山信仰の総本山である白山比め神社の門前町としても知られており、この地で蔵元は連綿と一千有余年にわたる伝統を誇り、奈良朝以来、白山宮の神酒を醸造してきました。


歴史

歴史

白山比め神社。霊峰白山を神体山とする全国の白山神社の総本山。

「菊姫」の酒銘は白山比め神社の御祭神「菊理媛(くくりひめ)」と菊酒伝説にあやかり命名されました。創業は古く今から約400年以上も昔の安土桃山時代天正年間(16世紀末)に遡るといいますが、それより以前、室町時代には白山宮の御神酒を造っていました。もともと蔵元はこの地方の名主で、江戸時代には加賀藩の札差しもしていたというほどの名門。現在は蔵元の意向で出品していませんが、全国新酒鑑評会で金賞を連続受賞するなど、吟醸造りにも定評がありますが、もう一つ特筆すべきは、戦後に山廃酒母での純米酒を復活させたことにあります。昭和53年に『山廃仕込み純米酒』、翌年には『山廃仕込み吟醸』を発表。これは現在の山廃ブームの先駆けとなった画期的な商品でした。しかし発売当初、当時の主流であった清酒の酒質とはまったく違う酒に、上がった声の半分以上がクレームだったいいます。清酒本来の味と色、清酒文化を根気よく世に訴え続け、多くのファンを広げていったのです。


造り

造り

麹蓋

菊姫は酒造りを子育てと同じように考えています。愛情を注ぎ、慈しみ育ててこそ、納得のいく酒が造れると考えています。そのために、最上質の原料米の吟味、買い付け、そして蔵の設備は徹底しています。良質の原料米を得るために村米制度を導入、兵庫県吉川町特A地区産特上クラスの《山田錦》を、純米酒から大吟醸に至るまでのすべての酒に100%使用。杜氏以下、蔵人たちの高い技術とチームワークが、その酒造りを支えます。その中心にあるのは、「本物の旨い酒を毎年造り続けたい」という情熱です。


味わい&合う料理

食

一言で言えば、濃醇旨口。

蔵元おすすめ酒に合う地元のうまいもん

基本的には、その土地で愛されている旬のものが、そこの普通酒に会うかが日本酒における料理との相性と考えます。地酒である以上、燗にして美味しい普通酒が地元の料理には合うようになっています。季節感を感じられるものとして、山菜、魚、豆腐などがあります。