日本名門酒会 蔵元紹介

蔵の概要

ななかんば ひかみまさむね

簸上清酒(名)

蔵元外観


環境

環境

酒米の契約栽培が行われている「大原新田」。日本の棚田百選選出。

蔵のある奥出雲町横田は、中国山地の山懐に抱かれた標高200m〜400mの盆地にある静かな町。斐伊川(ひいかわ)の源流にあたるこの辺り一帯は、出雲神話で有名なスサノオノミコトが「八塩折之酒」でヤマタノオロチを退治したとされる舞台。ヤマタノオロチの尻尾からは、宝剣「草薙の剣」が出てきますが、この地には、太古から砂鉄と木炭で日本刀の原料となる「玉鋼(たまはがね)」を作る「たたら製鉄」が伝えられ、今も日本で唯一操業しています。山深い奥出雲は美しい自然に囲まれ、冬は雪深く東北地方並みの寒さ、夏期は高地ならではのほどよい涼しさに恵まれます。島島根県屈指の米の産地でもあり「仁多米」は西の横綱の異名をとり、酒造好適米のできばえもトップクラス。酒造りには最適な環境にあります。


歴史

歴史

当時の蔵があった横田町六日市に建立された「泡無酵母発祥之地」顕彰碑。

蔵の創業は正徳2年(1712年)、2012年には創業300年を迎えます。酒銘は明治43年(1910年)に町内の酒蔵を吸収合併した際に、奥出雲一円のかつての地名「簸上」から「簸上正宗」と命名されました。蔵元はまた「泡無酵母」の原種発祥蔵でもあります。昭和37年(1962年)、仕込み桶いっぱいにたつ高泡ができない桶があることを、先代・田村浩三氏と立石杜氏が確認。当時の国税庁醸造試験場技官・秋山裕一氏によって研究・改良され、現在の協会泡無酵母となりました。シンボリ牧場と縁戚関係にあることもあって、平成7年(1995年)には20世紀最強の名馬シンボリルドルフにちなんだ「七冠馬」を発表。近年、全国鑑評会や広島国税局鑑評会での連続金賞受賞、出雲杜氏自醸清酒品評会で最優秀賞を受賞するなど、島根のお酒の中でもトップクラスの品質を誇ります。


造り

造り

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地元の風土に根ざした野太い味わいの酒造りが目標。仕込み水には中国山地奥深くから流れる斐伊川の伏流水を、米は地元で収穫される良質の酒米《改良雄町》《五百万石》《神の舞》などを中心に使用。日本の棚田百選に選ばれた「大原新田」での契約栽培も行っています。泡無酵母発祥蔵だけあって、酵母は泡無酵母701を中心に、901号も使用。雪深い冬の寒さの中、モロミは約1ヶ月をかけてゆっくり発酵させ、酒にキメ細やかな味わいを与えます。酒の熟成度を重視して出荷するのも特徴。中吟には過ぎた香りは望まず味わいを重視した飲み飽きないバランスを、大吟醸にはまろやかなタイプと荒々しいタイプの2通りを心がけ、酸味の持つバランスが面白い、幅がありながら後味にキレのある骨太な酒を醸しています。


味わい&合う料理

食

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深い旨味のある農醇な味わいでありながら、ほどよく爽やかな香りで後口のまとまりが良い辛口酒です。

蔵元おすすめ酒に合う地元のうまいもん

同じ島根県でも海岸部と違い、食の味付けも違うことから酒質の基本もこだわっています。「サバ」と「塩サバ」の違いがキーワード。山間部の地元の味を考え、濃い味わいの料理にも抜群の相性を求めています。酸味のバランスの重要性もここにあり、煮込み料理焼き鳥島根和牛の料理にも抜群の相性を楽しめます。