日本名門酒会 蔵元紹介

蔵の概要

環境

環境

蔵元の裏手には鮎も泳ぐ清流・旭川が流れる

岡山県北部、中国山地の奥深くにある真庭市勝山は、三浦藩二万三千石の城下町として、また出雲街道に面した宿場町として栄えました。かつての城下町の面影を残す街並みは、草木染めの暖簾が揺れる街並み保存地区に指定され、その中に「御前酒」蔵元の白壁土蔵造りの酒蔵もあります。街の中央を流れる旭川の清流と溢れる自然の恵み、冬になると雪に閉ざされる寒冷な気候が美酒を育みます。鳥取県境に接する市の北部は大山隠岐国立公園の一部で、その南麓にある蒜山高原、西日本一の名瀑「神庭の滝」、湯原温泉など自然豊かな観光地としても賑わいを見せています。


歴史

歴史

蔵元・辻家の奥座敷。実際に文化人が訪れた場所で、今では懐石料理もこの座敷で楽しめる。

古来「うまさけの国」と呼ばれた「美作国(みまさかのくに)」で城下町として栄えた真庭市勝山。そこで蔵元はもともと「炭屋」という屋号で呉服商を営んでいました。文化元年(1804年)、3代目・彌兵衛篤仁のときに呉服商は番頭に譲り、酒造業を開始。酒銘は三浦藩御用達の献上酒として「御膳酒」の銘を受けたことに由来します。通常はお城の使いが酒を買い求めにきましたが、正月、出陣式、新酒がてきあがった時などは、献上行列を仕立てて納められたと伝えられます。代々の当主は地元の名士として地域振興や文化貢献にも積極的で、蔵には明治から昭和にかけては文人墨客が訪れることも多く、与謝野鉄幹・晶子夫妻が逗留したほか、尾上紫舟、碧梧桐などが画帳、色紙に筆跡を残し、明治の文豪・谷崎潤一郎は当地で「細雪」を執筆しています。その伝統は今も続き、酒蔵レストランをオープンしコンサートを開くなど、酒文化を広く探求し続けています。


造り

造り

杜氏 辻麻衣子

昭和46年頃より純米酒の製造に力を入れ、現在では約6割を純米酒が占めます。地元岡山県産の《山田錦》や《雄町》をほぼ100%使用。特に岡山県特産の《雄町》に関しては使用量は県内でNo.1。大吟醸から純米吟醸、純米、山廃純米など多くのバラエティに富んだ商品を生んでいます。仕込み水には蔵の裏手を流れる旭川の伏流水を。昭和59年からは全国的にも珍しい「菩提もと」の製造にも着手、現在ではそれを改良した御前酒独自の製法で商品化し、人気を博しています。県内初の女性杜氏・辻麻衣子は前杜氏の味「コクがあって、なおかつキレのよい酒」を引き継ぎながらも、さらに「なめらかさ」を追求しています。


味わい&合う料理

食

蔵元直営レストラン、西蔵の人気メニュー。上:銀鱈の粕漬け 下:鶏の粕漬けスモーク

きめ細やかな舌ざわりと、ふくよかでやわらかい味わいが特徴です。スッキリとした喉ごしで飲みあきしないお酒です。

蔵元おすすめ酒に合う地元のうまいもん

併設の直営レストラン「西蔵」があります。平成元年にオープンして以来、料理のノウハウを活かし、御前酒商品群それぞれに合う料理のプロモーションには力をいれています。そこで出される料理の中でも人気が高い品をご紹介します。

銀鱈の粕漬け 蔵元ならではの上質な酒粕を用いて仕込まれるこの一品は多くのお客様に愛されています。

鶏の粕漬けスモーク 鶏の胸肉を酒粕に漬け込み、りんごのチップでスモークした一品。お酒、特に『御前酒 山廃三年熟成 昔造り』にぴったりです。


周辺情報

街並み保存地区 蔵元周辺は勝山街並み保存地区に指定されており、白壁やなまこ壁が映える城下町特有の武家屋敷や商家を残し往時の風情いっぱい。

神庭の滝 断崖絶壁を落下する高さ110m、幅20mの豪快な瀑布は西日本一。日本百景、日本の滝百選にも選ばれている。蔵元から徒歩10分。

湯原温泉 湯原ダムを背景に、旭川の川床に自噴する温泉を岩で囲んだ露天風呂。野趣満点の風情を満喫できる。露天風呂番付で西の横綱。車で20分

蒜山高原 鳥取県境の標高*mに広がる高原。ジャージー牛が草をはむ牧歌的な風景が広がり、アウトドアのお楽しみも満載。車で60分

「まにわへいこう」(社)真庭観光連盟

岡山県観光総合サイト「おかやま旅ネット」