日本名門酒会 蔵元紹介

蔵の概要

環境

周辺環境

戦前の新政蔵元

秋田県の沿岸部中央に位置する秋田市は、西を夕日の美しい日本海に面し、東には出羽山地が秀麗な姿を連ねる街。米どころ・酒どころとして知られ、市内には8つの酒蔵が軒を連ねています。蔵元は市の繁華街にほど近い旭川のほとり「四十軒堀川端」と呼ばれる場所にあり、この川端にはその昔、上流の雄物川から運ばれる荷物の集積地として立派な土蔵が並んでいました。蔵の敷地内にも創業以前からの土蔵蔵が6つ現存しています。「酒造りに最適な蔵」と評されたこともあるこれらの蔵は、現在でも仕込み蔵として活躍し、歴史的価値も高いものになっています。


歴史

歴史

堂々たる姿の酒槽による槽搾り

創業は幕末の動乱も間近な嘉永5年(1852年)。米問屋を商んでいた初代・佐藤卯兵衛が酒造りを初めた頃は、「やまうの酒」という名で親しまれていました。しかし秋田久保田藩が東北で唯一倒幕ののろしを上げた折に、銘柄名を酒銘は明治維新政府のスローガンであった「新政厚徳」という言葉より取り、「新政」と改名。名は体を表すごとく代々の当主は酒造技術の「革命」に意欲的で、この努力は5代目卯兵衛の時に結実しました。後に協会6号酵母と呼ばれる新政酵母の発見、秋田流速醸技術の普及、原料米の精選と高度精米技術を確立するなど、酒造りの近代化に貢献。その志は今でも受け継がれ、現蔵元当主7代目卯兵衛と県内再若手の杜氏とがタッグを組み、より高い酒質を求めて邁進しています。


造り

造り

市販されている協会酵母の中で最古の歴史を持つ6号酵母。平成16年に凍結保存された昭和初期の頃の原株を発見、培養を繰り返しより醸造適正の高い6号酵母を選抜する試みを開始。平成19年に特に優秀な特性を持った酵母を発見し「六號改」と名付け、実用化しました。

協会6号酵母発祥蔵だけあってすべての酒を6号酵母(新政酵母)で仕込んでいます。6号酵母は昭和5年に分離され、昭和10年に日本醸造協会より「きょうかい六号酵母」として発売された酵母で、現在市販されている酵母の中では最古のものとなります。現在蔵元では、平成16年に発見された昭和初期の原株、それを元に秋田県醸造試験場と開発した「六號改」ほか、さまざまな6号系の酵母をライブラリーとして保持していますが、味わいの複雑さを求めて、その年に醸造協会から配布される協会6号酵母をメインで使用しています。仕込水には雄物川伏流水の軟水を使用し、米どころに相応しい県産の酒造好適米を全国でもトップレベルの精米歩合に磨き、低温長期醪で丁寧に醸造。秋田の米と秋田の水にこだわり、6号酵母特有の「穏やかで澄んだ香り、ふくよかな味わい」を活かし、香り控えめで飲み飽きしない秋田の風土を映し出した個性を生み出しています。


味わい&合う料理

歴史

秋田名物いぶりがっこは数々あれど、蔵元イチオシは食生活科学研究所の「いぶり漬大根」。昔ながらの製法を守り、完全無添加。芯までしっかり燻されています。

蔵を発祥の地とする新政酵母(協会6号酵母)のもつ穏やかで澄んだ香り、すっきりとした旨さが駆け抜ける、スマートな味が特徴。6号酵母の酒はまた、燗上がりするため燗にしても旨し。

蔵元おすすめ酒に合う地元のうまいもん

素材の良さを邪魔しない素直な酒のため、「生」で「素朴」なつまみや和食とベストバランスです。サザエアワビ数の子といった新鮮な海産物や、特に秋田の特産品である、いぶりがっことんぶりはたはたなどとの組み合わせは素晴らしいものです。ぜひお試しください。


蔵元見学

不可

周辺情報

秋田市民民俗芸能伝承館(ねぶり流し館) 竿燈をはじめとする秋田の民俗行事や芸能の保存伝承のための会館。

竿燈まつり 旧暦の七夕頃、今の8月に開かれる東北4大祭りのひとつ、別名「ねぶり流し」。蔵元は会場となる大通りからも近く、祭りのときは蔵元も毎年参加。提灯が鈴なりに連なる竿を華麗に操り、見事な腕前を披露しています。

川反繁華街 秋田市一の繁華街。秋田の美食と美酒を堪能できるスポット。

秋田観光コンベンション協会

秋田県総合ガイド「あきたふぁん・ドッと・コム」