お酒の歳時記
 ◆金賞酒◆ お酒の芸術品、至高の大吟醸
今年も開催された全国新酒鑑評会。
そこに出品される大吟醸は
蔵元で“本命”と呼ばれ、
掌中の珠を磨くようにして育てられます。
蔵の技の粋を集め、採算を度外視して
醸される極上の酒。
一点の曇りもない鏡のようなその香味は
まさにお酒の芸術品です。
▼鑑評会の中から生まれた吟醸・大吟醸
▼至上の味わいに出会える至福
■鑑評会の中から生まれた吟醸・大吟醸

 毎年春に行われ、明治時代から続く全国規模のお酒のコンテスト、全国新酒鑑評会。今年も金賞受賞酒がお披露目されましたが、ところで今日「大吟醸」と呼ばれるお酒は、こうした蔵の技の粋を競うコンテストの中で、徐々に形づくられてきたものなのです。

 「吟醸」という言葉は、明治の頃に誕生しましたが、「吟味して醸した酒」というほどの意味で、お酒の事象を指す言葉でした。

 もともと定義が先にあったわけではありません。やがて鑑評会・品評会が盛んになると、そこで造られるお酒のことを、「吟醸酒」と呼ぶようになります。技術の発達とともに、米を選び、よく磨き、酵母も選び、低温で発酵させ、小仕込みで造る……という造り方が、だいたい共通して行われるようになった頃から、吟醸・大吟醸という言葉が定着するようになりました。


■至上の味わいに出会える幸福

 蔵元は蔵の威信をかけて挑み、杜氏は自らの技の極限を競い、手中の玉を磨くようにして作られる出品酒・大吟醸。

 昭和50年代に入るまで、鑑評会出品酒、つまり大吟醸は、市場にほとんど出回らない蔵元秘蔵の酒に等しく、およそ一般の人が口にする機会はほとんどありませんでした。

 今では気軽に飲めるようになりましたが、それでもチャンスがなければ滅多に口にできないのが、この金賞受賞酒。出会えたあなたはかなりの幸せ者。邂逅を喜びながら、最上級の味わいをお召しあがりください。



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