お酒の歳時記
甘酒
 ◆昔ながらの甘酒◆ いやしの栄養ドリンク
昔ながらの甘酒は、米・米麹だけから造られて
上品で自然な甘さが魅力です。
“お米のヨーグルト”と呼ばれるほど滋養も豊富。
ノン・アルコールなので、
アルコールが苦手な方はもちろん、
家族みんなで楽しめ、
宴席の最後にデザート感覚でもいただけます。
■米・米麹から造られる懐かしい甘酒

 甘酒には酒粕を使って造るタイプのものもありますが、昔ながらの甘酒は、米と米麹だけから造られます。

 米麹と煮た米、水を混ぜて55〜60度でおくこと、だいたい10〜15時間。ほぼ一晩でできあがるので、その昔は「一夜酒(ヒトヨザケ)」とも呼ばれていました。市販の米麹が手元にあれば、自宅でもお粥をもとに造ることもできます。

 砂糖を加えないその甘みは、お米のデンプンに由来するブドウ糖の自然でやさしい甘さ。ノン・アルコールなので、子供から大人まで楽しめます。


■甘酒の季語は夏

 甘酒の季語は夏。江戸時代の上方では、天秤棒をかついだ甘酒売りが「甘いっ、甘いっ」と市中を売り歩き、夏場の風物詩となっていたようです。

 なにしろ冷蔵庫もなかった時代です。ものの腐りやすい夏場は、疾病による死亡率が高かった季節でもありました。一晩でできあがり、造ってすぐに売られる甘酒は、水分と栄養分を補給する飲み物として夏バテ防止にも重宝されていたのでしょう。

 なにしろ甘酒は"お米のヨーグルト"と呼ばれるほど、滋養豊富な飲み物なのです。


■滋養たっぷり、甘酒はお米のヨーグルト

 甘酒の甘さはブドウ糖の甘さ。ブドウ糖といえば、脳の唯一のエネルギー源としてもおなじみですが、甘酒には20%以上も含まれています。

 その他にも、人間が生きていくのに食物から摂取しなければいけない、ビタミン類や必須アミノ酸類などが多く含まれています。ブドウ糖、ビタミン類、アミノ酸類、と聞いて思い起こすのが、点滴。病院で食事もとれないときに使われる栄養補給の点滴と同じような成分が、甘酒には含まれているのです。

 甘酒に含まれるのは、それだけではありません。米麹に由来する食物繊維やオリゴ糖も豊富で、腸内環境もすっきり。ほかにも、弱った胃にかわって食べ物を吸収しやすく分解する消化酵素や、酸性状態に陥ったからだを還元する麹酸なども含まれると言われます。

 つまり甘酒は、すぐれた機能性飲料。からだに優しく、そしてなにより、上品な甘さで飲んで美味しい、いやしの栄養ドリンクなのです。

 夏は冷やしたクール甘酒、冬は温めてホット甘酒と、家族みんなで楽しめます。




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