日本名門酒会 蔵元紹介

蔵の概要

環境

環境

蔵の裏手に流れる「御溝」。

九州山地の只中、球磨川の流れが生んだ球磨盆地は米と水に恵まれた山紫水明の地。現在28の蔵元があり、200種以上の焼酎が造られています。その中心地である人吉市は相良藩700年の歴史を伝える国指定史跡の人吉城跡を始めとする数多くの重要文化財が存在し、今なお "九州の小京都" とも呼ばれる落ち着いた城下町の風情を残しています。人吉インターの近くに建つ蔵の裏手には、相良藩の下屋敷まで人工的に引かれた全長9.2kmの「御溝」が流れ、初夏には蛍が乱舞、天然記念物の「藻」が群生し、雨の日には蟹が工場の中まで這ってくるのどかな光景を見ることができます。この水は蒸留の冷やし水にも利用されています。


歴史

歴史

古い蔵の構造を保ちつつ補強して移築された蔵。太い梁が歴史を物語る。

蔵の創業は文政6年(1823年)。初代・深野時次氏はもともと福岡・久留米で御用商人をしており、米の買い付けに人吉・球磨地方に出入りするうち、豊富な米・良質な水・冬の冷涼な気候に目を付け、相良藩が余剰米で焼酎造りを奨励していたこともあって、一族でこの地に移住し焼酎造りを始めました。現在の当主で5代目、200年近い歴史を誇ります。酒銘「よけまん」は、地元の言葉で「おやつのついた休憩」を意味し、農作業の合間にはまんじゅうや漬け物をつまみ「焼酎」で気つけをし、一息つくといいます。平成に入って蔵改築の話が出ましたが、太く大きな梁、横木、そして古い蔵に住み着いている「家付き酵母」のために、補強して隣接した場所に移築し、昔ながらの蔵を残しました。現在、昔ながらの古い蔵と、ある程度機械化された蔵の二つで、それぞれの特徴を活かした焼酎を造っています。


造り

造り

江戸時代末期に造られた「土甕(どがめ)」が並ぶ、仕込み蔵。

九州山地からの豊富な地下水と、地元産の米を用い、昔ながらの伝統を守る手造りにこだわっています。移築された蔵には、江戸時代末期に造られた「土がめ」が並び、「醪」がふつふつと音を立てて発酵。この「土がめ」が独特のまろやかさを生みます。杜氏は日に何度も麹室を行き来し、温度管理に気を配り、女性スタッフはできあがった焼酎にはラベルを手貼りし、当主はすべての作業に手抜かりのないよう目配りする──「古い」ものへの愛着と感謝を忘れずに、時代をよく見ながら、しかし時流に流されず、地元でも愛される焼酎を造り続けています。


味わい&合う料理

食

鮎のかまぼこ

カメ仕込みならではのまろやかな喉ごしとクセのない味わいが特徴です。 お湯割りや水割などにしても、しっかりしたふくよかな香りと味わいを損ないません。

蔵元おすすめ酒に合う地元のうまいもん

鮎のかまぼこ
球磨川で獲れた天然の鮎がその形のまま「かまぼこ」の上に乗っています。同じ大きさを揃えるのが大変だそうで、年間に僅かな量の出荷ですが、その味は格別です。「常圧・よけまん」が鮎の味をさらに引き立ててくれると思います。もちろん手造りですから少し贅沢な時間が過ごせそうです。


周辺情報

球磨焼酎組合青年部
「『球磨焼酎』は国酒です。誇りある『国酒』をもっと皆さんに知っていただくため、認識度を高めていきたいと活動しています。『球磨焼酎案内人』の認定試験を開催し、200名の募集に300名近い応募が。歴史、造り、全体のそれぞれの講義をし、その後のテストの合格者には認定書を授与しました。また、後日には「球磨焼酎応援の店」のステッカーを飲食店やスナックなどに張らせていただく出陣式を行い各店舗をまわりました。頑張っています」

人吉温泉観光協会

「@舎ひとよし」

熊本県観光サイト「なごみ紀行 くまもと」