日本名門酒会 蔵元紹介

蔵の概要

ぼうのつ

薩摩酒造(株)「明治蔵」

蔵元外観


環境

環境

薩摩富士とも呼ばれる名峰・開聞岳の裾野に広がるサツマイモ畑。火山噴出物が堆積したシラス台地はサツマイモ栽培に適している。

鹿児島県薩摩半島の最南端に聳える名峰・開聞岳。そこから海岸沿いを西に向かったところに蔵のある枕崎市は位置します。東シナ海の黒潮が打ち寄せる港町で、遠洋カツオ漁業の基地であり、また、甘藷や茶などの畑作農業が盛んです。西隣にはかつて遣唐使や密貿易で栄えた坊津があり、多くの文化とともに蒸溜技術も上陸しました。年間を通して温暖な気候、市郊外の白沢に沸く「神の河」と呼ばれる清らかな水、まさに美味しい焼酎が生まれる条件が揃った地。蔵はカツオの水揚げで名高い枕崎港の近く、花渡川のほとりに建ちます。入口に15mもの大きな櫓が立ち、母屋造りで昔の蔵元を彷彿とさせる荘厳な構えの建物は、平成7年(1995年)には鹿児島県108景にも選ばれた名所となっています。


歴史

歴史

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原料となる "甘藷" の別名が "薩摩芋" であることからも分かるように、芋焼酎は薩摩藩の特産。藩の領地の80%が火山灰で厚く覆われており、米の節約につながる芋焼酎造りの税金を免除したため、それ以前の米焼酎から急速に芋焼酎に転換していきました。「さつま白波」で有名な薩摩酒造の当主・本坊家が芋焼酎を造り始めたのは明治42年(1909年)。昭和11年(1936年)に株式会社化し、火の神蒸溜所、頴娃蒸溜所、塙蒸溜所。平成4年(1992年)に花渡川のほとりに立つ創業以来の本社工場・花渡川蒸溜所を、薩摩焼酎の資料館としての役割も併せ持つ持つ見学工場「明治蔵」として公開しました。


造り

造り

木製道具や甕など、古来よりの製法で造られる。

芋焼酎は、米焼酎と同じ蒸米と焼酎麹で仕込んだ醪に、蒸米のかわりに蒸したサツマイモを加えます。芋焼酎は、収穫期である8月から11月までしか造れない贅沢な飲み物です。蔵元はその可能性を探るため、原料の芋や麹・酵母、江戸・明治時代の古式製法の再現などさまざまな研究や商品化に取り組んでいます。「坊津」は、博物館的な位置づけを持つ「明治蔵」の謹製。木の蒸留器、木の麹室など、昔ながらの木製道具を用い、水は蔵近くの良質な地下水を使用。甕仕込み、機械などに頼らない自然に任せる芋焼酎古来の製法で造られます。


味わい&合う料理

食

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原料であるサツマイモを蒸したようなふっくらとした甘さが、味、香りに生きています。味わいが濃く、重いタイプの焼酎といえます。6:4のお湯割りにするのが味わいのポイントです。

蔵元おすすめ酒に合う地元のうまいもん

鹿籠豚料理 カツオで有名な枕崎市ですが、もう一つの名物が「鹿籠豚」。枕崎市の鹿籠で育った幻のブランド黒豚です。
〈鹿籠豚美味しさの秘密〉
・肉の繊維が細いので食べた時に歯切れがよく、柔らかい食感です。
・脂肪やコレステロールが少なく、ビタミンB1は牛肉や鶏肉よりも10倍多く、必須アミノ酸も豊富に含まれています。
・脂肪の溶ける温度が高いので、脂がべとつかずさっぱりしています。
・脂肪部分にも十分な旨味があり、食感も赤身と同じ感じがします。