日本名門酒会 蔵元紹介

蔵の概要

環境

環境

まほろばの里・高畠町。山形新幹線が停車します。

宮城と福島に堺を接する山形県南部、置賜盆地にある高畠町は「まほろばの里」とも呼ばれます。「まほろば」とは周囲を山々で囲まれた美しいところ、という意味の万葉の言葉。その言葉の通り、春にはサクランボやラフランスなどの果樹の花が咲き、秋には黄金色の稲穂がそよぎ葡萄や林檎がたわわに実り、冬は一面の雪景色に覆われる美しい田園風景が広がります。羽山古墳を始め古墳が点在することからも、古代より住みよい土地柄だっがことが伺えます。盆地特有の内陸性気候で、昼夜・夏冬の寒暖の差が大きく、特に冬期は大陸からの季節風の影響で多量の降雪があります。蔵元は地元で「まほろばの酒蔵」の愛称で親しまれ、酒米栽培をしている田んぼに囲まれています。


歴史

歴史

安久津八幡神社の三重の塔。1797年の創建で、県の指定文化財になっている。

蔵の創業は元禄年間(1700年頃)、約300年の歴史を誇ります。蔵の建つ場所は、創業の頃から幕府直轄の天領でしたが、幕末の頃には米沢上杉藩の御用酒屋として栄え、その名は広い地域に知られていました。明治40年(1907年)に初めて開催された「全国清酒品評会」では三等賞を受賞、以後、各種品評会や鑑評会で好成績を獲得。戦中戦後の物資統制があった時代にも、自らが食べる分の食米を酒造りのために流用するなど、良酒造りを貫き通しました。昭和43年(1968年)には市販吟醸酒のパイオニアとなる商品「F1」を発売。昭和58年(1983年)からは地元農家と協力して酒造好適米栽培に取り組み、原料米を地元産とする特定名称酒造りを本格化しました。その取り組みの中から、《亀の尾》から突然変異した《亀の尾》よりも粒の大きな米が生まれ、《亀粋(きっすい)》と名付けて1993年に酒造好適米として品種登録しています。


造り

造り

「米鶴」の酒を造る蔵人たち。全員、地元出身で、夏には米作りを手がけている。

「基本に忠実に作業し、酒の健全な発酵からくる香味以外を徹底的に排除して、さわやかな酒を造るように努力」しています。仕込み水は奥羽山脈からの軟水の伏流水を、敷地内の井戸から汲み上げて使用。米は地元で契約栽培された酒米を主に使用し、地元出身の蔵人たちも田圃の米作りから酒造りを始めます。大切に育てられた酒米は、すべて自社にある3台の精米機で自家精米。2007年9月現在で精米誤差0.6%と、高い精度で米を磨き上げます。雪に埋もれマイナス5度以下まで下がる冬に仕込まれる酒は、「味・香り・キレのバランスの良さ」がある自然な優しい旨みを持つさわやかな味わい。ふだんお酒を飲まない人にもわかりやすい美味しさと、飲み飽きせずに最初から最後まで美味しい酒を目指しています。


味わい&合う料理

食

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米鶴の味わいは吟醸造りを基本とした軽快でありながら旨味をもったさわやかな味わいです。口中に広がる果実を思わせる香りは透明感があり、寒冷な気候の中で熟成速度はやや遅く全体的にフレッシュ感があります。

蔵元おすすめ酒に合う地元のうまいもん

【料理】
鯉のうま煮 置賜地方に伝わる鯉の甘露煮。慶事の際に欠かせない一品です。

納豆汁 すりつぶした納豆入りの味噌汁。豆腐・油揚げ・納豆と大豆製品各種とこんにゃくが入り、仕上げに芹・ネギ・唐辛子をプラス。

ひょう干し "ひょう"と呼ばれる夏の畑に生える「すべりゆ」を干したもの。戻して煮物にしたものは、お正月料理の一品。

冷汁 季節の茹で野菜に、乾物を煮戻したものを汁ごとあえた具たくさんおひたし。

いなごいり いなごを煎り煮したもの。

だし 夏野菜と香味野菜を細かく刻んでしょうゆや塩で合えたもの。

【素材】
牛肉 米沢牛、山形牛、全国に名を轟かせるブランド牛。

うこぎ 置賜地方の伝統野草。うこぎは山形では垣根にもされていた灌木で、4月〜6月頃に新芽を摘み、ほろ苦く香り高いを楽しむ。

【合う酒】
『米鶴 田恵 純米吟醸』『米鶴 田恵 特別純米』


周辺情報

亀岡文殊堂 日本三文殊の一つ。807年に開基された真言宗智山派の寺院・大聖寺にある文殊菩薩。大聖寺はこの文殊菩薩を安置したことに始まると言われ、江戸時代には、文殊堂領として朱印百石が与えられた名刹。

安久津八幡神社 860年、慈覚大師によって開基され、豪族・安久津磐三郎の協力で阿弥陀堂を建てたのが始まりと言われる。三重塔、舞楽殿、本殿は県の指定文化財。裏山には、安久津古墳群十数基が点在。舞楽殿では毎年5月に五穀豊穣を祈って巫女8人による「倭舞」が奉納される。

たかはた桜回廊 元・高畠線の廃線を整備した緑道。沿道に約700本の桜が植えられ、満開の時期には桜のトンネルとなる。散歩やサイクリングに。

青竹ちょうちん祭り 300年の伝統を持つ夏祭り。別名「御仮屋のまつり」とも呼ばれ、祭りの間、安久津八幡神社の御輿は巌島神社を御仮屋として移され、その道筋の家々に、提灯つきの青竹を飾ったのが始まり。御輿パレード、民踊パレードなど、各種イベントが開催される。

冬咲ぼたん祭り 雪景色の中、わらで編んだ「こも」の中に大輪の牡丹が咲く。

「まほろばの里たかはた」高畠町観光協会

山形県観光情報ポータル「やまがたへの旅」