日本名門酒会 蔵元紹介

蔵の概要

環境

環境

白壁土蔵の蔵の裏手を、鯉の泳ぐ清らかな用水が流れる。

北東に標高2,000mを超える北アルプスを望み、1,000mを超す山々に四方を囲まれた飛騨市は、陸の孤島のような場所でありながら、開けた古川盆地は米どころで、特に江戸時代には幕府の天領として栄えました。その町人文化の財力は、今に残る高山祭りや、古川祭り(やんちゃ祭り)の絢爛豪華な山車屋台でも伺い知ることができます。宮川水系と荒城川水系がぶつかる水の豊かな土地柄で、良質の米が育ち、市街地中には清らかな水に鯉が泳ぐ用水路が引き巡らされています。土蔵白壁をバックに用水が流れるしっとりした雰囲気の街並みは「街並百景」にも選ばれ、観光客や地元民の憩いの場。その一角に蔵もあり、飛騨匠の技が生きる伝統家屋は古の風情を伝えます。


歴史

歴史

飛騨古川盆地は、水が豊かな良質米の産地。

創業は宝永元年(1704年)。初代・蒲登安は飛騨が不作で飢饉となったとき、越中と交易をしていたこともあり私財を投じ米を買い入れましたが、関所にて米の国境越を咎められ、自分は投獄されながらも米だけは通してほしいと訴え、飛騨に米を入れた人物。これに感心した代官が、初代1代に限り関所を無税で通ることを許したため財をなし、現在の地で酒を造り始めました。万葉集に「志らまゆみ斐太の細江の菅鳥の妹に恋ふれか眠を寝かねつる」とあり、この飛騨にかかる枕詞「白真弓」を酒銘としました。以来、12代約300年の歴史を刻み、飛騨の気候風土を映した酒を造り続けています。


造り

造り

櫂入れ

「貪ることなかれ」を家訓に、得たものをまた次のよりよい酒づくりへ投資。仕込み水には北アルプス奥飛騨の軟水の伏流水を使用。米は地元飛騨古川盆地の酒米組合と契約栽培した酒造好適米《ひだほまれ》を中心に用い、すべて自家精米にて丁寧にけずります。製麹も手作業で、手の感触を大切に、温度・湿度管理に気を配っています。数々の鑑評会や品評会で金賞受賞の実績を持ち、旨口の飛騨の地酒の地位を不動のものにしています。また本格的な清酒だけでなく、低アルコール酒や活性酒、発泡酒など、さまざまなジャンルにも挑戦しています。


味わい&合う料理

食

やわらかく厚みのある酸、後口に豪壮なキレを感じさせるコクのある重厚な味わいは、冷やでよし、燗して旨し。

蔵元おすすめ酒に合う地元のうまいもん

飛騨は山国で、雪も多いため、保存食での独特の料理文化が育まれました。相対的に味つけのしっかりした料理が多く、お酒もコクもある濃醇なタイプです。ほう葉の上で味噌・豆腐・ネギなどをまぜて焼く、ほお葉味噌は、酒もごはんも進みます。また川魚(いわな・ます)の甘露煮、春には、ぜんまいの煮物姫竹のごまあえなどもつまみにはぴったりです。


周辺情報

やんちゃ祭り 毎年4月に行われる古川祭りは別名やんちゃ祭りとも呼ばれる。裸祭りとけんか祭りを合わせたような勇壮な「起し太鼓」と、その翌日の豪華絢爛な山車屋台が巡行する「屋台巡行」の、動と静の合わさった祭り。

祭り会館 古川祭りの様子がわかる展示会館。ハイビジョン映像や山車屋台のからくり人形実演、伝統工芸実演、資料展示など。

白川郷 言わずと知れた世界遺産白川郷合掌集落。飛騨市の西、石川県境近くに位置。

奥飛騨温泉郷 北アルプスの懐に抱かれた、日本一といわれる露天風呂。点在する5つの温泉地がある。

飛騨市公式観光サイト「飛騨の旅」

「ぎふの旅ガイド」(一社)岐阜県観光連盟