日本名門酒会 蔵元紹介

蔵の概要

環境

環境

富士見蔵付近からは八ヶ岳が望める。

日本の屋根と呼ばれる長野県。そのほぼ中央に位置する諏訪市は霧ヶ峰や八ヶ岳の山並みに囲まれ諏訪湖が輝く、標高760mを超す高原盆地にあります。諏訪大社を中心に太古の時代から栄え、江戸時代には高島藩の城下町となり、甲州街道と中仙道が交わる交通の要衝として発展、独自の文化を築き上げてきました。標高が高いため冷涼で乾燥した気候。真冬の気温は零下10度を下回ることもしばしばです。「真澄」は諏訪市内の「諏訪蔵」と、諏訪杜氏の故郷である八ヶ岳山麓の、標高960mと日本で最も高地にある「富士見蔵」の2蔵でお酒を造っています。峻厳な冬の気候、山々から湧き出る清冽な水、信州人の誠実な気質が「真澄」を産み育てます。


歴史

歴史

七号酵母誕生の地に掲げられた碑

蔵の創業は寛文2年(1662年)。蔵元はもともと諏訪を治める諏訪氏の家臣でしたが、戦乱の世に翻弄された末、刀を捨て酒造業を開始。高島藩の御用酒屋も勤め、その酒は諏訪で流罪の日々を過ごしていた松平忠輝候(家康の六男)を慰めたといいます。酒銘は諏訪大社のご宝物「真澄の鏡」に因みます。明治維新以降は廃業も検討するほど苦難の道を歩みましたが、一躍全国に名を知らしめたのは終戦翌年の昭和21年(1946年)のこと。この年開かれた全国新酒鑑評会と全国清酒品評会で1位から3位までを独占する快挙を成し遂げ、その年の秋には異例の速さで「真澄」の酵母が分離、「協会7合酵母」として全国に頒布されました。7号酵母は今でも全国6割の蔵で使用され、優良な天然酵母として注目されています。1950年代からは各種品評会での金賞受賞常連蔵となり、今日、日本を代表する銘酒の一つとして認知されています。


造り

造り

引き込んだ麹米を揉みほぐす「切り返し」

「真澄」では熟練した製造スタッフによる「高度な手作業」を重んじています。かといって全く機械化を否定している訳ではなく、精米・洗米・浸漬・蒸米などあまり微生物が関与して欲しくない工程は機械化し、麹造り・酒母・モロミの醗酵など微生物が係わっている工程は手作業で、というのがポリシーです。また原料米は信州の酒造米《美山錦》を中心に、すべて品種と産地が確かな酒造好適米だけを新米の玄米で調達し、自社で精米しています。平均精米歩合は59%、特定名称酒率は現在約65%。新商品は全て純米酒という方針を貫き、その比率を一日も早く100%にしたいと考えています。


味わい&合う料理

食

セロリとイカの味噌和え

ほのかに香る果物のような香りとあくまでも透明感のあるすっきりとした味わいは、全体的に絶妙な酸甘味のバランスを有した酒の特徴です。きわめて精緻で安定感のあるお酒です。

蔵元おすすめ酒に合う地元のうまいもん

セロリとイカの味噌和え 蒸しイカとセロリを刻んで味噌、砂糖で和えたものです。セロリの生産は長野県が全国一。中でも原村や富士見町といった諏訪杜氏のふるさとが日本一の産地なのです。このようなあっさりしたつまみに合うのはフレッシュで涼やかな味わいの「真澄吟醸生酒」です。