日本名門酒会 蔵元紹介

蔵の概要

環境

環境

写真上:霊峰・白山(写真提供/石川県観光連盟)。写真下:白山信仰で賑わった玄関口、白山市鶴来地区。

蔵のある石川県白山市鶴来地区は、北陸の古都・金沢より霊峰・白山に向かう鶴来街道を南に約20km、白山に源を発する手取川が金沢平野へと流れ出す扇状地の要に位置します。ここ鶴来は1,500年以上の昔から、白山比め神社の門前町として栄え、信仰の地であると同時に、白山の雪解け水を受ける手取川の豊富で良質な水に恵まれた醸造の地として古くから知られています。冬場、最も雪の多いときには2〜4mの降雪があります。この静かな町の中心、古い街並みの面影を残す鶴来街道沿いの一角に、堂々たる歴史を刻んだ格子構えの「萬歳楽」蔵元が建ちます。

*「白山比め神社」は、「しらやまひめじんじゃ」と読みます。


歴史

歴史

本社蔵からさらに白山方面に入った杉木立の中にある「森の吟醸蔵 白山」。伐採した杉を建材とした木造の蔵で、伝統技を継承する場としつつ丁寧な造りの美しい吟醸酒を生み出しています。

創業は江戸享保年間(1716年〜1736年)。白山さん(しらやまさん・白山比め神社の通称)の門前町として栄えた鶴来の地に、塩や米、諸々の品物を扱う商家として営みを始めました。神社の門前町という流れの中で酒を扱うようになり、明治末期には酒造専業に転向。戦後は地元で広く親しまれる酒造りに心を注ぎ、生産農家とのつながりを重視しながら、より良い酒造りに邁進してきました。2001年秋、最新のテクノロジーと匠の技を融合させる場である「森の吟醸蔵 白山」を竣工。「萬歳楽」の酒名は謡曲「高砂」より命名され、詩人・野口雨情もこの酒を愛しました。


造り

造り

農家との圃肥調査の様子

酒米生産農家との強い連携を背景にした堅実な酒造りが特徴。酒米は、地元産の《五百万石》《北陸12号》、兵庫県口吉川地区産の《山田錦》などを使用しています。これらは全て生産者の顔が分かる米です。仕込み水は、旨い酒を造る「菊水(きくみず)」として、古くより知られる白山手取川水系伏流水(中軟水)。この水を使って風味豊でクリアな味わいの日本酒を造ります。白山麓鶴来の風土と文化のもと、良質な原料と能登杜氏の技が一体となり「萬歳楽」の旨さが生み出されています。


味わい&合う料理

食

白山麓の気候と名水、加賀文化が育んだ食の数々

良質な原料米に由来する味は、充分な旨味を伴った味わいを特徴とし、お燗でも美味しく召し上がれます。

蔵元おすすめ酒に合う地元のうまいもん

手取川の川魚 酒蔵の仕込み水の源でもあり、白山の恵みを受ける手取川は、川魚の豊庫でもあります。特に、初夏から秋にかけて手取川から吊り上げられる鮎は、塩焼きでよし、洗いでよし、飴煮でよし。他にも、岩魚や虹鱒や鮴など様々な川魚が採れますが、手取川で採れた魚は手取川水系の水で仕込んた萬歳楽の酒と実によく合います。特にこの地域本来の地酒らしい芯の通った清らかな味わいの『萬歳楽 剱』をおすすめします。