日本名門酒会 蔵元紹介

蔵の概要

環境

環境

奥州街道沿いに建つ蔵元

蔵のある富谷町は、仙台市の北隣に位置し、江戸時代には仙台藩領土の南北を結ぶ奥州街道の要となる宿場町として賑わい、銘茶・銘酒の街として知られました。降雪量はそれほど多くなく、比較的温暖で住みやすいところです。現在は仙台市のベッドタウンとして開発が進み、南部の小高い丘陵地帯には新興団地が建ちますが、街道沿いには今でも往時の面影を伝えるひっそりとした佇まいの街並みが残り、その一角に宮城県最古の歴史を刻む蔵はあります。


歴史

歴史

酒林が下がり、歴史を感じさせる重厚な門

蔵の創業は元和4年(1618年)。蔵元・内ヶ崎家の歩みは街の歴史そのものと重なります。初代・織部(前名・筑後)は室町時代に黒川氏に仕えた家老で、伊達政宗の命により富谷宿の開設に尽力し、参勤交代をする奥州諸藩や松前藩の大名の本陣も努めました。酒造業を始めたのは2代目・作右衛門のとき。第4代藩主・伊達綱村が巡狩するときなどは、休憩所となり自家醸造酒を献納することが慣例となっていました。文化10年(1813年)には11代藩主・伊達斎宗に献酒し、「初霜」「春霞」の酒銘を賜るなど、仙台藩を代表する酒に。仙台藩の儒学者・志村五城が残した碑文には「自ら作った稲で酒を醸造、その味は極めて甘味」と記されています。平成17年(2005年)に「特別本醸造鳳陽初霜」を復活発売。明治期より使われている酒銘「鳳陽」は、唐の李善感の故事「鳳鳴朝陽」よりとって名づけたもので、瑞鳥である鳳(おおとり)にあやかり家運の隆盛を願い名付けられました。


造り

造り

真冬の朝の酒造り風景

創業以来約350年、一貫して先人の叡智の結晶である手づくりの酒を守り続けてきました。明治初期のままの姿を止める厚い白壁の中で、厳寒の冬の朝の寒さを利用し、南部杜氏の技で醸します。和釜で米を蒸すなど昔ながらの造りにこだわり、少量生産で量を求めず、妥協を許さず、丁寧に酒造りに挑んでいます。そのかいあって、平成20年現在、南部杜氏鑑評会35回連続優等賞受賞、全国新酒鑑評会では昭和59年以降11回もの金賞受賞。味わいは比較的穏やかな中にも、しっかりした味を留め、喉越しの良い酒を目指しています。


味わい&合う料理

食

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穏やかな中にも米の旨みがしっかり広がる、品格漂うソフトでまるみある味わい。喉ごしもよし。

蔵元おすすめ酒に合う地元のうまいもん

笹かまぼこ牛タンほや酢等素材そのままでもいけます。「特別純米酒 鳳陽」は松島名産の牡蠣と良く合います。お薦めは昆布の上に酒と醤油を少量いれて蒸した牡蠣。ミルキーな牡蠣とまるみのある純米酒がマッチし、相乗効果が楽しめます。


周辺情報

松島 松島湾に大小260余りの小島が浮かぶ、みちのくを代表する名勝地にして日本三景の一つ。万葉の昔より歌枕として用いられ、芭蕉が奥州行脚の目的の一つとした。

秋保温泉(あきうおんせん) 奥州三名湯に数えられる名取川沿いにある温泉。仙台中心部から20〜30分と近いため、宿泊・日帰り客で賑わう。周辺は、奇岩が並ぶ「磊々峡」、日本の滝百選の一つ「秋保大滝」、高さ150m幅3km以上の巨大岸壁「磐司岩」など、雄大な景観美に満ちている。

富谷町|富谷集遊

仙台観光情報サイト「せんだい旅日和」

「宮城まるごと探訪」宮城県観光連盟