日本名門酒会 蔵元紹介

蔵の概要

環境

環境

鬼怒川を隔てて筑波山を望む

「つくばエクスプレス」に乗って都心から1時間余り、茨城県の南西部に位置する常総市は、関東平野の水田地帯が広がり、東に万葉からの名峰・筑波山を望み、古来より茶人が汲む名水といわれた清流・鬼怒川が蕩々と流れる地。承平の乱の英雄・平将門が生まれた地としても知られ、幕府天領となった江戸時代には、江戸へ物資を運ぶ鬼怒川の水運で発展しました。徳川家康の愛娘・千姫の墓所「弘経寺」を始め古寺名刹も多く、歌舞伎で著名な「累」の墓も川畔にあります。蔵は鬼怒川のほとりに建ち、冬の日光おろしの寒風が吹きわたる中、良酒造りに励んでいます。


歴史

歴史

仕込み蔵正面

蔵の創業は文化2年(1805年)。初代・山中与衛門から数えて、現在8代目。蔵元はもともと富士吉田付近から現在の地に移り住んだ近江商人の系譜で、江戸前期にはすでに酒や味噌、醤油などを造っていました。しかし文化2年(1805年)に火災にあい、歴史的な資料をすべて焼失し、便宜上、この火災のあった年を創業年としています。鬼怒川の船運によって江戸に運ばれ、灘の銘酒と競い合いましたが、軟水仕込みの特徴を活かした当時としては珍しく優しい味わいだったため、売り込みに苦心したともいいます。戦前より吟醸造りに励み、昭和19年(1944年)の品評会では全国一を受賞。酒銘「一人娘」は、軟水である鬼怒川の流水を汲み上げた酒造りを試み、代々の骨身を削る苦心の末にできあがった珠玉の名酒をわが子に喩えて名付けられました。


造り

造り

鬼怒川取水機標識(建設省)が標示されている酒蔵の裏門

仕込み水には日光連山に源を発する鬼怒川の伏流水を使用。軟水のため甘口に造ると味ダレしやすいこともあり、早くから辛口酒を志向してきました。原料米は《山田錦》や《美山錦》などの酒造好適米を主に用い、蔵内平均精米歩合は57%。独自の二段仕込みを行い、徹底的に醗酵させ、口当たりの良さとすっきりした喉ごし、後味の爽快さを特徴とする女性的な淡麗辛口に仕上げます。試行錯誤の連続の末、珠玉の銘酒を育み「一人娘」と名付けた先人の知恵と気持ちを大切に、「さわりなく真水のごとき酒」を理想とし、誠意と愛情を込めて酒造りに取り組んでいます。


味わい&合う料理

食

霞ヶ浦のワカサギ等の小魚、常陸牛肉、つくばハムなども好まれる。

口当たりやわらかく、キリッとした後味の辛口酒「さわりなく真水の如き」酒です。

蔵元おすすめ酒に合う地元のうまいもん

清冽な淡麗型ですので、本来淡白な風味の白肴や山菜が合うのですが、かえって反対の濃厚風味のチーズや肉にも合うのが不思議です。
淡白な食菜には風味を引き立たせ、濃厚な味の食事には爽やかさがかえって双方の本来の味を生かすのではないかと思われます。
霞ヶ浦のシラウオ、ワカサギ、コエビ、の料理各種


周辺情報


石下豊田城

石下豊田城 蔵の東、約700mに聳えるお城。地域交流センターを兼ね、7階展望台からの眺めは絶景。

筑波山 山頂までケーブルカーやロープウェイがあり、ハイキングや登山客で賑わう。中腹には万葉集や古今和歌集にも詠われてきた筑波山神社がある。

つくば学園都市 つくばエキスポセンターのプラネタリウムは世界最大級のドームを頂く。

常総市観光物産協会

茨城観光物産協会「観光いばらき」